「睡眠時無呼吸症候群になると血圧も上がるって本当?」
「どうすれば睡眠時無呼吸症候群を治せるの?」
睡眠時無呼吸症候群と高血圧は一見するとまったく無関係のように思えます。しかし実は、両者には密接な関係があるのです。睡眠時無呼吸症候群の患者は全国に約500万人いる と言われています。決して珍しい病気ではありません。
今回は、睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係性や、睡眠時無呼吸症候群の治療方法について詳しく解説します。
目次
1.そもそも睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、名前の通り睡眠中に呼吸が止まっている状態のことです。では、具体的にどのような症状が見られるのでしょうか。
1-1.睡眠中に呼吸が止まる病気
睡眠時無呼吸症候群になると、眠っているときに呼吸が止まってしまいます。目が覚めてしばらくすると呼吸が再開しますが、また眠りにつくと再び呼吸が止まるため熟睡することができません。深い睡眠がまったく取れなくなるため、日中に強い眠気が出てしまいます。
睡眠時無呼吸の指標として、AHI(Apnea Hypopnea Index)があります。AHIは、睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数です。簡易検査ではAHI 40以上、精密検査ではAHI 5以上で、重症度に差こそあれ、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。空気の通り道が狭くなって物理的に呼吸ができなくなったり、脳の指令がうまく働かなくなったりすることが原因です。
1-2.睡眠時無呼吸症候群で見られる症状
睡眠時無呼吸症候群になると、次のような症状が見られることがあります。
● 日中の眠気
● だるさ
● 脳卒中
● 狭心症
● 心筋梗塞
● 糖尿病
● 高血圧
眠っていても熟睡できていないため、日中に眠くなったりだるさが出たりする方が少なくありません。また、呼吸ができていない状態が続くことで血液中の酸素が不足し、心臓や脳に負担がかかって脳卒中や狭心症を起こすこともあります。
糖尿病や高血圧も引き起こす可能性があるため、睡眠時無呼吸症候群の方はなるべく早めに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにすることが大切です。無呼吸になっていても自覚症状が乏しく、治療を受けていない方も多くいます。
2.睡眠時無呼吸症候群が二次性高血圧を引き起こす
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。本態性高血圧は病気などの原因がないのに起こるもの、二次性高血圧は何らかの病気が原因で起こるものです。睡眠時無呼吸症候群になると、二次性高血圧を合併することがあります。
高血圧がある方のうち、約10%は二次性高血圧です。睡眠時無呼吸症候群は二次性高血圧を引き起こす原因としてもっとも頻度が高いと言われています。
血圧が上がる理由として、呼吸が再開するときに脳が覚醒して交感神経の働きが亢進するなどの原因が考えられています。睡眠時無呼吸症候群がある方は、高血圧を合併していないかしっかりと検査を受ける必要があります。
3.睡眠時無呼吸症候群によって起こる高血圧の特徴
「血圧が高めだけど、睡眠時無呼吸症候群が原因なのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。睡眠時無呼吸症候群によって起こる高血圧にはいくつか特徴があります。
3-1.薬を使ってもなかなか血圧が下がらない
睡眠時無呼吸症候群が原因で高血圧になっている場合、降圧薬を使ってもなかなか血圧が下がらないことがあります。治療抵抗性高血圧と呼ばれており、3種類以上の降圧薬を使っても血圧がうまくコントロールできない状態になるのです。
3-2.早朝や夜間に血圧が高くなりやすい
通常、血圧は日中に上昇して夜間にまた低下します。しかし、睡眠時無呼吸症候群の方では、本来なら血圧が低くなるべき夜間でも高い状態が続いてしまうのです。この状態を夜間高血圧と言い、早朝高血圧の原因にもなります。
4.睡眠時無呼吸症候群による高血圧の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法には、いくつか種類があります。
4-1.薬物治療
睡眠時無呼吸症候群による高血圧も、通常の高血圧と同じように降圧薬を使って治療を行います。ただし、降圧薬が効きづらく十分に血圧をコントロールできないことが少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群に必ず有効な降圧薬はまだ分かっておらず、人によっても効きやすい薬が異なるため血圧の状態をよく観察しながら治療を行っていく必要があります。
4-2.CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法とは、寝る時にマスクを装着して空気を送り込むことで、気道が塞がれないようにする治療です。これにより、眠っている間に無呼吸になることがなくなります。
4-3.生活習慣の改善
生活習慣の改善も治療を行っていくうえで大切なことです。睡眠時無呼吸症候群が原因で高血圧になっている場合は、降圧薬がなかなか効かないことがあります。そのため、減塩や節酒、禁煙などもあわせて行うことが非常に重要です。特に、肥満傾向の方では、減量が睡眠時無呼吸症候群の改善にも有効です。
5.睡眠時無呼吸症候群が気になる方は検査を受けよう
「睡眠時無呼吸症候群かも?」と思ったら、早めに検査を受けましょう。自然治癒は難しいと言われているため、適切な治療が必要です。
5-1.睡眠時無呼吸症候群を放っておくとさまざまな病気の原因に
そのままにしておくと、血圧が上がるだけでなく動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を起こすことがあります。突然死の原因になることもわかっています。
日中の眠気やだるさなどの症状は実感しやすく気にする方が多いのですが、自覚症状がなくとも、命に関わる病気を引き起こすこともあるということを頭の片隅に入れておきましょう。
なお病気ではありませんが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、明らかに交通事故の頻度が高くなります。車に乗る仕事をされる方は、特に注意が必要です。
5-2.耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診しよう
睡眠時無呼吸症候群は、耳鼻咽喉科や呼吸器内科、内科で治療を受けられます。精密検査を行う場合は入院が必要ですが、簡易検査なら外来でも受けることが可能です。
また、STOP‐Bang問診といって、睡眠時無呼吸症候群かどうかを簡単に判断する方法もあります。こちらはセルフチェックをするのにも有効です。
いびきをかくか、日中に疲労感があるか、高血圧であるかなどをチェックして点数をつけ、合計点数によって睡眠時無呼吸症候群のリスクを判断します。
6.睡眠時無呼吸症候群と同時に「高血圧イーメディカル」で高血圧の治療もしよう
「血圧が高いのは、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群が原因かも」と少しでも思ったら、早めに高血圧の治療も始めましょう。高血圧イーメディカルでは、睡眠時無呼吸症候群が原因で起こる高血圧の治療にも対応しています。
6-1.高血圧の専門医があなたの血圧を管理
高血圧イーメディカルには、高血圧の専門医が在籍しています。入会した方に無料で貸与している血圧計を使うと、医師や看護師などのチームに情報が共有されるため、いつでも専門的なサポートを受けることが可能です。
6-2.気になることがあればいつでもチャットで相談できる
高血圧について気になることがあれば、いつでもチャットから相談できます。「血圧が高いのは睡眠時無呼吸症候群の影響なの?」「血圧を下げるためにはどのような食事を心がけたらいいの?」など、少しでも疑問や不安に思うことがあれば、いつでもご相談ください。
6-3.保険適用で利用できる
高血圧イーメディカルは、初診から保険適用で受診できます。オンライン診療に特化してはいますが、対面で受診する場合と料金はほとんど変わりません。待ち時間ゼロで薬も自宅に郵送で届くため、忙しい方でも気軽に高血圧の治療を受けられることが大きなメリットです。
7.まとめ
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っているときに呼吸が止まってしまう病気のことです。高血圧と密接な関係があり、睡眠時無呼吸症候群の方は高血圧になりやすいことが分かっています。
日中に眠くなることが多かったり眠っても体のだるさが取れなかったりする方は、睡眠時無呼吸症候群を疑って検査を受けるのを検討してみてください。
高血圧イーメディカルでは、睡眠時無呼吸症候群による高血圧の治療も行っています。待ち時間ゼロで自宅にいながら治療が受けられるので、気軽に治療ができると評判です。少しでも睡眠時無呼吸症候群や高血圧について気になる方は、高血圧イーメディカルにご相談ください。