夏に血圧が下がっても油断は禁物?血圧の季節変動について、医師が解説

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「夏になると血圧が下がるから安心」と考えている方もいるかもしれません。しかし、実は夏場でも血圧管理に油断は禁物です。気温の上昇とともに血管が拡張し、血圧が下がりやすい傾向にあるのは事実ですが、それゆえに起こりうる注意点や、思わぬ落とし穴について、医師が解説します。

1. そもそも高血圧とは

日本高血圧学会では、次のように高血圧の基準を設けています。

 

診察室血圧

家庭血圧

基準

140/90 mmHg以上

135/85 mmHg以上

診察室で測定した血圧が140/90 mmHg以上の場合は高血圧です。高血圧は、血圧の値によって次の3つに分類されます。

 

診察室血圧

家庭血圧

Ⅰ度高血圧

140~159かつ/または90~99mmHg

135~144かつ/または75~84 mmHg

Ⅱ度高血圧

160~179かつ/または100~109 mmHg

145~159かつ/または90~99 mmHg

Ⅲ度高血圧

180かつ/または110 mmHg以上

160かつ/または100 mmHg以上

なお、脳心血管病や慢性腎臓病などの疾患リスクや死亡リスクは、120/80 mmHgを超えて血圧が上昇するほど高くなるといわれているため、高血圧の基準に該当しない場合でも生活習慣の見直しが必要になります。

2.血圧が上がるとどのような影響があるの?


高血圧になっても、自覚症状はほとんどありません。そのため、「血圧が高いとどのような影響があるの?」と疑問に思われている方も多くいます。

2-1.脳心血管病のリスクが高くなる

脳心血管病とは、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの病気のことです。診察室血圧が120/80 mmHg未満の方で脳心血管死亡リスクがもっとも低く、130/85 mmHg以上になると有意にリスクが上昇することが分かっています。
久山町研究では、血圧が130/85 mmHg以上になると脳梗塞のうちとくにラクナ梗塞のリスクが高くなることも明らかになりました。
このほか、脳心血管病死亡の50%、脳卒中死亡の52%、冠動脈疾患死亡の59%が120/80 mmHgを超える血圧に関連しているとも報告されています。

2-2.慢性腎臓病のリスクが高くなる

高血圧は、慢性腎臓病や推算糸球体ろ過量、末期腎不全の発症リスクを上昇させます。沖縄で行われた研究では、収縮期血圧が10 mmHg上昇するごとに将来的に末期腎不全を発症するリスクが30%ほど高くなることが分かっています。
このほか、久山町で行われた研究では、中年期の高血圧が高年齢期の血管性認知症の発症リスクを上げることも明らかになりました。

2-3.血管性認知症のリスクが高くなる

認知症の原因としては、その半分ほどがアルツハイマー型認知症であることはよく知られています。一方で、高血圧は、動脈硬化を原因とする血管性認知症のリスクを高めます。久山町研究において、中年期の高血圧が、高年齢期の血管性認知症リスクを上昇させることが明らかになっています。血圧が120/80 mmHgの集団に比べ、160/100 mmHg以上の集団では、血管性認知症となるリスクが4~16倍程度にも上昇します。

3. 夏場の血圧変動
~一時的に血圧が下がっても治療を継続することが大切~


血圧は季節によって変動します。寒い時期は上がりやすい一方で、暑い時期は下がりやすいことが知られています。血圧は、6~7月ごろが1年最も低く、12~1月が最も高くなります。
夏は気温が高く、体温の上昇を防ぐために血管が拡張して血圧が下がりやすいことが特徴です。さらに、発汗も増えることから体内の水分を失いやすくなり血圧が下がります。

一方で、高血圧の治療をしている方が「夏になったら血圧が下がったから薬を飲むのを止めた」と自己判断で薬を止めてしまうケースがあります。血圧が下がったら薬も不要だと考えるのでしょう。
しかし、勝手に止めてしまうのは良くありません。暑い時期に血圧が下がりやすいのは季節的なものであり、高血圧そのものが完治したわけではないのです。
「血圧がいつもより低いけど薬はどうしたらいいの?」と疑問に思った場合は、服用をやめるのではなく、医師と相談して減薬したりそのまま様子を見たりするなど適切な判断をしてもらうことを徹底してください。医師と相談した結果、夏の間は薬を少なくしたり中断したりすることができても、秋から冬にかけては再開が必要となることがほとんどです。夏の血圧低下をきっかけにして、通院や服薬を中断することのないようにしましょう。

4.まとめ

暑い時期は血圧が下がりやすくなります。血圧は季節によって変動しますが、自己判断で薬を止めたり調節したりせず医師に相談しましょう。
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