降圧薬(高血圧の薬)の使い分けや種類を医師が解説!効果や副作用、注意点も紹介

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「血圧の薬にはいろいろな種類があるけど、どうやって使い分けているの?」
「それぞれの降圧薬の特徴が知りたい」

降圧薬には、カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬などさまざまな種類があります。処方された降圧薬の種類が突然変わったり、追加で違う降圧薬が加わったりすると、「何が違うの?」と疑問に思うことがあるでしょう。

そこで今回は、降圧薬の使い分けや種類について詳しく解説します。起こりやすい副作用や注意点なども紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

1.そもそも血圧はどのように決まるの?


血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗によって決まります。心拍出量は1分あたりに心臓から全身に送り出される血液の量のこと、末梢血管抵抗とは血液が血管に流れ込むときに受ける抵抗のことです。

「血圧=(1回拍出量×心拍数)×末梢血管抵抗」となるため、血圧を下げるには心拍出量と末梢血管抵抗のどちらか、または両方を低下させる必要があります。降圧薬には多くの種類がありますが、どれも心拍出量や末梢血管抵抗を低下させるためのものです。

2.降圧薬には3つのタイプがある


血圧は心拍出量や末梢血管抵抗を減らすことで下げられます。そのために用いられるのが「血管を広げる薬」「循環する血液量を減らす薬」「交感神経の働きを抑える薬」の3つです。

2-1.血管を広げる薬

血管を広げると、血液の流れがスムーズになって末梢血管抵抗を減らせるため、血圧を下げることができます。カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、血管を広げる代表的な降圧薬です。

2-2.循環する血液量を減らす薬

押し出す血液量が多ければ多いほど心臓は強い力で押し出さなければいけないので、血圧が上がってしまいます。そのため、血圧を下げるためには循環する血液量を減らすことが有効です。

血液量を減らすためには利尿薬やアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)が用いられます。

2-3.交感神経の働きを抑える薬

交感神経の働きが亢進すると、ノルアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、末梢血管抵抗が増加してしまいます。心拍数も増加します。そのため、交感神経の働きを抑える薬も高血圧の治療に有効です。β遮断薬やα遮断薬などが用いられています。

3.降圧薬には8つの種類がある


降圧薬には、大きく分けて以下に挙げる8つの種類があります。

• カルシウム拮抗薬
• アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
• アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)
• 利尿薬
• アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
• ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
• β遮断薬
• α遮断薬
• 中枢作用性薬

それぞれの薬が効く仕組みや主な薬の種類、服用時の注意点などについて詳しく見ていきましょう。

3-1.カルシウム拮抗薬

カルシウム拮抗薬はとてもメジャーな降圧薬です。高血圧の患者さんにもっとも多く処方されている降圧薬として知られています。

3-1-1.特徴

降圧薬には、年齢などの個人差によって効きやすい薬や効きにくい薬があります。しかし、カルシウム拮抗薬は個人差を問わずある程度の降圧作用を発揮してくれることが特徴です。糖代謝や脂質代謝に影響を与えることがなく、糖尿病や脂質異常症がある患者さんにも使用できます。

3-1-2.薬が効く仕組み

細胞膜にあるカルシウムチャネルに結合し、血管平滑筋にカルシウムが流入するのを抑える薬です。血管平滑筋は、カルシウムの流入によって収縮します。カルシウム拮抗薬は、カルシウムの流入を抑えて血管を広げ、血圧を下げます。

3-1-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

アダラート

ニフェジピン

アムロジン、ノルバスク

アムロジピン

アテレック

シルニジピン

カルブロック

アゼルニジピン

3-1-4.副作用・注意点

血管が拡張することで起こる顔面紅潮や頭重感などの副作用が代表的ですが、症状は軽度であることが多く、しばらく様子を見ていると気にならなくなることがほとんどです。また、歯肉肥厚や歯槽膿漏の悪化が見られることもあります。

歯肉肥厚の副作用が起こる機序については、現段階では十分に解明されていません。歯肉炎の悪化や咀嚼機能の低下にもつながるため、症状が出た場合は歯医者を受診して処置をしてもらいましょう。アゼルニジピンは歯肉肥厚が起こりづらいとされています。

また、処方医にも一度ご相談ください。カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツの影響を受けやすい薬でもあります。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類がカルシウム拮抗薬の代謝を阻害するので、薬が効きすぎてしまうことがあるのです。ただし、薬が効きすぎて倒れるほどの低血圧を起こすことはほとんどないと考えられています。

3-2.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、カルシウム拮抗薬の次に多く使用されている降圧薬です。つまり、日本で2番目に処方される頻度が高いということになります。

3-2-1.特徴

血圧を下げる効果だけでなく、臓器を保護する働きをもつものがあります。たとえば、ロサルタンやイルベサルタンには腎保護作用があり、尿蛋白を減らしたりして腎機能の悪化を防ぐことが可能です。このほか、ロサルタンには尿酸を低下させる働きがあることも分かっています。

3-2-2.薬が効く仕組み

アンジオテンシンⅡ受容体の働きをブロックすることで血圧を下げるものです。アンジオテンシンⅡには、血管を収縮させて血圧を上げる働きがあります。このアンジオテンシンⅡが受容体に結合しないように働くのがアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬です。

アンジオテンシンⅡ受容体には1型と2型の2種類があります。血管の収縮に関わっているのは1型のほうです。そのため、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬も1型の受容体に作用します。

3-2-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

ニューロタン

ロサルタン

ブロプレス

カンデサルタン

ディオバン

バルサルタン

ミカルディス

テルミサルタン

オルメテック

オルメサルタン

アバプロ

イルベサルタン

アジルバ

アジルサルタン

3-2-4.副作用・注意点

副作用として、高カリウム血症などが起こる可能性があります。また、胎児の腎機能低下を起こすこともあるため、妊娠中の方は服用できません。ただし、妊娠を希望する方でも病状によっては投薬されることがあります。

妊娠成立後、すぐに服薬をやめれば胎児への影響はないとされています。現時点では数ある降圧薬のなかでも副作用が起こりにくいものとして認識されています。

3-3.アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬と同様に、臓器を保護する働きがあります。降圧効果も高いのですが、アンジオテンシンⅡ受容体と比べるとやや劣ると言えるでしょう。心不全の予後を改善する働きがあることでも知られています。

3-3-1.特徴

高血圧の方はもともとED(勃起不全)になりやすいのですが、降圧薬を服用するとさらにEDの症状が悪化することがあります。しかし、アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、EDを来しにくいことが特徴です。先ほど紹介したアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬もEDになりにくいと言われています。

3-3-2.薬が効く仕組み

アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡが作られるのを阻害する薬です。アンジオテンシンⅡには血管を収縮させたり体液を貯留させたりする働きがあります。

アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡに変換されるためには、アンジオテンシン変換酵素の働きが必要です。アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、この酵素の働きを阻害して血圧を下げます。

3-3-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

ロンゲス、ゼストリル

リシノプリル

レニベース

エナラプリル

カプトリル

カプトプリル

3-3-4.副作用・注意点

もっとも頻度の高い副作用は、空咳です。服用を始めて数週間から数か月程度で見られます。空咳が出るのは、咳反射を抑制するブラジキニンの分解を促進してしまうためです。女性や非喫煙者で起こりやすいと言われています。また、妊娠している方には使用できません。

3-4.利尿薬

利尿薬は、心拍出量を低下させるために使われる薬です。体内のナトリウムを排出することで血圧を下げます。ほかの降圧薬と併用されることが多いです。

3-4-1.特徴

塩分を摂ると、血液中の塩分濃度を下げるために水分が多く集まってきます。その結果、心臓がより強くポンプ機能を働かせることになり、心拍出量が増えます。

利尿薬は、血液中の水分を減らすことで心拍出量を低下させる薬です。ほかの降圧薬で効果が不十分な場合に併用されることが多いでしょう。

3-4-2.薬が効く仕組み

ここでは、サイアザイド系利尿薬とループ利尿薬の仕組みについて紹介します。サイアザイド系利尿薬は、遠位尿細管でナトリウムの再吸収を抑制し血圧を下げる薬です。

ループ利尿薬はヘンレ係蹄上行脚にあるNa+/K+/2Cl-共輸送体を阻害して効果を発揮します。ループ利尿薬は腎血流量や糸球体濾過率を減少させないため、腎障害を合併した高血圧の患者さんにも有効です。

3-4-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

ヒドロクロロチアジド

ヒドロクロロチアジド

フルイトラン

トリクロロメチアジド

ナトリックス

インダパミド

ラシックス

フロセミド

ダイアート

アゾセミド

3-4-4.副作用・注意点

サイアザイド系利尿薬では、低カリウム血症や低ナトリウム血症などの電解質異常が見られることがあります。まれではありますが、発疹や光線過敏症などが出る場合もあるので注意しましょう。

ループ利尿薬も同様に低カリウム血症や低ナトリウム血症の副作用が報告されています。吐き気や下痢、食欲不振などが見られる場合もあるため、症状が気になる場合はご相談ください。

3-5.アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

アンジオテンシンⅡやネプリライシンの働きを抑える薬です。降圧作用を示すと同時に、過度に貯留した水分を排出する働きがあります。

3-5-1.特徴

アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬として知られるエンレストは、もともと慢性心不全の治療に用いられていた薬です。2021年9月に高血圧症に対する効能効果も追加されました。比較的新しい薬ですが、安全性や忍容性については従来のアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬と同等であると言われています。

3-5-2.薬が効く仕組み

アンジオテンシンⅡとネプリライシンは、どちらも血圧を上昇させたり水分を体内に溜め込んだりする働きがある成分です。アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬は、アンジオテンシンⅡとネプリライシンの両方の働きを抑えることで血圧を下げ、水分貯留を改善します。

3-5-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

エンレスト

サクビトリルバルサルタン

3-5-4.副作用・注意点

浮動性めまいや起立性低血圧、疲労や動悸などの副作用が報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬との併用はできません。

3-6.ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬も広義には利尿薬の一種です。ただし、サイアザイド系利尿薬やループ利尿薬とは違った特徴をもちます。

3-6-1.特徴

重症の心不全の患者さんに投与することで、予後が良くなることが分かっています。そのため、心不全も併発している高血圧の患者さんに良く使われる降圧薬です。また、原発性アルドステロン症という二次性高血圧症の治療薬として使われます。

3-6-2.薬が効く仕組み

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、アルドステロンの働きを阻害することで血圧を下げる薬です。アルドステロンには、塩分と水分を体の中に貯留する働きがあり、アルドステロンが過剰になると血圧が上昇してしまいます。

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を服用すると、このアルドステロンの働きを阻害して塩分と水分を体の外に出すため、心拍出量を減少させて血圧を低下させることができます。カリウムを低下させることなく塩分と水分を排出できることが特徴です。

3-6-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

アルダクトン

スピロノラクトン

セララ

エプレレノン

ミネブロ

エサキセレノン

3-6-4.副作用・注意点

高カリウム血症が起こることがあります。スピロノラクトンでは、男性では勃起不全や女性化乳房、女性では月経過多の副作用が起こることが報告されています。

3-7.β遮断薬

β遮断薬は、交感神経の働きを抑制することで血圧を下げる薬です。第一選択薬として使われることはありませんが、虚血性心疾患や頻脈、心不全がある方には積極的に使用されています。

3-7-1.特徴

糖尿病や脂質異常症のリスクを高める働きがあり、ほかの降圧薬と比べると臓器障害や心血管病を抑制する効果が劣ることから高血圧治療の主力としてはあまり使われていませんでした。しかし、心拍数が多くなりがちな若い方の高血圧には有効な場合が多いです。

また、心不全の予後を良くするというメリットがあります。β遮断薬のうち、カルベジロールとビソプロロールで心不全患者の予後を良くする働きが認められています。

3-7-2.薬が効く仕組み

心臓の働きに関わっているのが、β1受容体です。β1受容体が刺激されると、心機能が亢進します。β遮断薬は、このβ1受容体を阻害することで心臓の働きを抑え、心拍出量を抑える薬です。

3-7-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

インデラル

プロプラノロール

メインテート

ビソプロロール

アーチスト

カルベジロール

3-7-4.副作用・注意点

β受容体には、β1受容体のほかにβ2受容体も存在します。β2受容体は、気管支拡張に関わっている受容体です。

高血圧治療に用いられるβ遮断薬は主にβ1受容体に働くように作られていますが、わずかながらβ2受容体にも遮断作用があらわれ気管支が収縮して喘息発作を誘発することがあります。気管支喘息の患者さんには原則的に用いられません。

肝グリコーゲンの分解を促進して血糖値を上げたり、脂質の代謝に影響を及ぼしたりすることもあるため、糖尿病や脂質異常症がある患者さんへの使用は注意が必要です。

3-8.α遮断薬

α遮断薬も、交感神経の働きを抑えて血圧を下げる薬です。

3-8-1.特徴

α遮断薬は、早朝高血圧の治療に使われることもある降圧薬です。通常、朝起きて活動を始めると血圧が徐々に上がります。しかし、人によっては急激に血圧が上がってしまうことがあるのです。これを早朝高血圧と呼んでいます。

早朝高血圧は心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めるため、しっかりコントロールすることが重要です。

また、褐色細胞腫というまれな二次性高血圧の治療薬としては高容量(1日16㎎)で用いられることがあります。

3-8-2.薬が効く仕組み

交感神経にあるα1受容体は、刺激されると血管を収縮して血圧を上昇させます。α遮断薬は、α1受容体を遮断し、血管を広げることで血圧を下げる薬です。降圧作用はほかの薬と比べるとあまり高くありません。

3-8-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

ミニプレス

プラゾシン

カルデナリン

ドキサゾシン

3-8-4.副作用・注意点

副作用としては、めまいや立ちくらみ、起立性低血圧が代表的です。初めて服用した後に血圧が過度に低下してしまうこともあるため、注意が必要となります。

また、勃起不全治療薬であるレビトラ(パルデナフィル)やバイアグラ(シルデナフィル)と併用したことで低血圧を来した例も報告されています。

3-9.中枢作用性薬

中枢作用性薬は、ほかの降圧薬と比べると処方される機会はあまり多くありません。しかし、現在も妊娠中の方や早朝高血圧の治療に用いられています。

3-9-1.特徴

カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬などを使用しても十分に血圧が下がらない場合に使用が検討されます。あまり多く処方されている薬ではありませんが、妊婦さんへの安全性が確認されていることから、妊娠高血圧症候群の治療に適していることが特徴です。

3-9-2.薬が効く仕組み

交感神経にあるα2受容体を刺激することで血管の収縮を抑制し、血圧を下げます。心臓や腎臓が弱っている方、糖尿病がある方でも使いやすい薬です。

3-9-3.主な薬

商品名

成分名(一般名)

アルドメット

メチルドパ

アプレゾリン

ヒドララジン

3-9-4.副作用・注意点

口渇や眠気、めまい、立ちくらみ、勃起不全などの副作用が報告されています。また、急に服用を中止すると離脱症状が起こり、反動で血圧が上昇するため注意が必要です。

4.降圧薬はどうやって使い分けるの?


降圧薬にはいろいろな種類がありますが、いくつか使い分けのパターンがあります。

4-1.最初に使う降圧薬はだいたい決まっている

高血圧治療ガイドライン2019では、次の4つの降圧薬が第一選択薬として推奨されています。

• カルシウム拮抗薬
• アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
• アンジオテンシン変換酵素阻害薬
• 利尿薬

まずは、この中から選んで服用することが基本です。現状では、カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を使って治療を始めることが多いでしょう。

4-2.高齢者ではカルシウム拮抗薬や利尿薬が効きやすい

実は、年齢によって効きやすい降圧薬の種類が異なります。高齢者で効きやすいと言われているのは、カルシウム拮抗薬や利尿薬です。

血圧が上がるメカニズムの一つにレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系というものがあります。高齢になるとこのメカニズムの働きが弱くなるため、アンジオテンシンの働きに関与するアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬の効きが弱くなってしまうのです。

逆に食塩感受性は増加するため、高齢者では血管を直接広げるカルシウム拮抗薬や利尿薬が効きやすいと言われています。

4-3.若年者ではアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が効きやすい

若年者のうち特に男性ではアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が効きやすいと考えられています。もともとアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は降圧効果が高く良く使われることから、若い方への処方頻度が比較的高い薬です。

4-4.効果が不十分なときは用量を増やさず複数の薬を組み合わせて使う

降圧薬を1種類だけ服用しても十分に血圧が下がらないことがあります。このような場合は、薬の用量を増やすのではなく別の働きをもつ降圧薬を追加することが基本です。

カルシウム拮抗薬にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を追加して併用すると、末期腎不全への進行が抑制されることが分かっています。また、アンジオテンシン変換酵素阻害薬と利尿薬を併用すると、脳卒中による死亡を減少できることも知られています。

4-5.合併症の種類で降圧薬を選ぶこともある

高血圧のほかに合併症がある患者さんには、以下のように合併症の種類に応じた降圧薬が選択されることもあります。

降圧薬の種類

積極的な適応が推奨される合併症

カルシウム拮抗薬

狭心症、脳血管障害、糖尿病

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

糖尿病、心不全、心筋梗塞、左室肥大、軽度の腎障害、脳血管障害

アンジオテンシン変換酵素阻害薬

糖尿病、心不全、心筋梗塞、左室肥大、軽度の腎障害、脳血管障害

利尿薬

心不全

β遮断薬

心筋梗塞後、狭心症、頻脈

α遮断薬

脂質代謝異常、前立腺肥大、糖尿病

降圧薬についてより詳しい参考記事はこちら。

降圧薬(高血圧の薬)の種類と効果とは|良い点、悪い点をまとめて医師が解説

5.降圧薬を服用するときの注意点


降圧薬を服用するにあたり、いくつか注意点があります。思わぬ副作用が出る原因にもなるため、しっかり把握しておきましょう。

5-1.グレープフルーツとの相互作用に注意

カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類の働きによって代謝が阻害され、必要以上に効き目が強くなってしまう可能性があります。

注意したいのは、グレープフルーツとカルシウム拮抗薬を同時に服用した場合のみに影響が出るわけではないということです。グレープフルーツによる代謝への影響は、十数時間続くと言われています。

注意して摂取を避けるのが無難ですが、健康に影響があるほど作用が強く出てしまうことはまれであるため、神経質に避ける必要はないと言えるでしょう。ちなみに、グレープフルーツ以外に、夏みかんやダイダイ、ハッサクやライムなどにもフラノクマリン類が含まれています。

5-2.飲み忘れたときに2回分を一度に服用しない

降圧薬をうっかり飲み忘れてしまった場合でも、2回分を一度に服用するのは止めましょう。

薬の
タイプ

飲み忘れたときの対応法

1日1回服用

飲み忘れに気づいた時点ですぐに服用してください。次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばして次の分から服用します。

1日2回服用

飲み忘れたと気づいた時点ですぐに服用しましょう。朝食後の分を飲み忘れた場合は2回目の服用を夕食後から就寝前にずらします。

1日3回服用

薬を飲み忘れて1~2時間以内であれば、すぐに忘れた分を服用します。それ以上時間が経っているときは、次の分から服用してください。

5-3.自己判断で服用を止めない

降圧薬を服用して血圧がコントロールされると、高血圧が完治したと感じるかもしれません。しかし、降圧薬は一時的に血圧を下げているだけであり、高血圧そのものを治す薬ではないので注意してください。血圧が下がったからといって自己判断で服用をやめることがないようにしましょう。

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7.まとめ


降圧薬には、主に8つの種類があります。このうち第一選択薬として使われているのは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬の4つです。血圧の程度や年齢、合併症などを加味して最適な降圧薬が処方されます。

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