高血圧の検査方法は?診断基準や血圧が高くなりやすい方の特徴を医師が解説

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「高血圧の検査はどのように行うの?」
「検査の流れを知りたい」

高血圧の検査は、ただ血圧を測定して終わりというものではありません。もちろん血圧の測定は行いますが、ほかにもさまざまな検査を行います。どのような種類の高血圧なのか、なぜ血圧が上がっているのか、高血圧の合併症はあるのかなどを調べる必要があるためです。

今回は、高血圧の検査について詳しく解説します。高血圧の種類や血圧が高くなりやすい方の特徴なども紹介しているので、参考にしてみてください。

1.高血圧には主に2種類ある


高血圧には、主に本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。

1-1.本態性高血圧

本態性高血圧は、原因がはっきりしない高血圧のことを指します。日本人で高血圧がある方の約9割は本態性高血圧です。生活習慣や肥満、飲酒などが原因で高血圧になっていると考えられています。

高齢者が高血圧になりやすいのは、加齢とともに血管の弾力性が低下するためです。

このほか、遺伝も本態性高血圧が起こる原因の一つとして知られています。生活習慣病の一つとして知られている高血圧ですが、実はこのように生活習慣に関係なく発症することもあるのです。

1-2.二次性高血圧

二次性高血圧とは、ほかの病気が原因となって起こる高血圧のことです。甲状腺や副腎などの病気によって起こります。二次性高血圧の方はあまり多くなく、全体の約1割ほどです。

1-3.その他の高血圧

高血圧といえば、高齢になってから発症するものというイメージをもっている方がいるかもしれません。しかし高血圧は、若い方でも発症します。たとえば妊娠高血圧は、20代でも発症することがあるのです。妊娠中に血圧が140/90 mmHgを超えると妊娠高血圧となります。また、小児で高血圧を発症するケースがあるのもご存知でしょうか。遺伝や腎臓病、内分泌の病気などにより小児でも血圧が高くなることがあるのです。

2.高血圧の検査の流れ


高血圧の検査は、一般的に次のような流れで進めていきます。

2-1.①血圧検査

まず行うのが血圧検査です。歩いたり排尿を我慢していたりすると血圧は高く出やすくなります。排尿を済ませてから数分安静にしたのち、血圧を測定するのが理想です。

診察室血圧が高い場合は、白衣高血圧でないかの確認が必要となります。白衣高血圧が疑われる場合は、家庭での血圧測定を行いましょう。白衣高血圧とは、医療機関で測定した血圧が140/90 mmHg以上であるにもかかわらず、自宅では135/85 mmHg未満を示す状態のことです。

白衣高血圧はすぐに治療する必要はありませんが、非高血圧の方と比べて高血圧を発症する将来のリスクが高くなるため、注意深い観察が必要となります。

2-2.②病歴の確認

高血圧を指摘されたときの状況や治療経過、副作用の有無、既往歴、家族歴などを確認します。

出生時に低体重であったり、幼少期に体重過多であったりしなかったか、現在の妊娠の有無や、妊娠歴がある場合の妊娠経過なども重要な確認事項です。このほか、運動習慣や睡眠習慣、食習慣などの生活習慣についても確認を行います。

また、自覚症状などを確認することで患者さんの全体像を把握したり、二次性高血圧なのか本態性高血圧なのかを判別したりすることも重要です。

2-3.③身体所見の診察

脈拍や上肢血圧の左右差、肥満の程度などを測定します。二次性高血圧や心不全、動脈硬化などの兆候がないか確認することも大切です。

2-4.④臨床検査

臨床検査では、全身の臓器の状態や高血圧の合併症を調べる検査、脳心血管病のリスク評価などを行います。これらの検査は、必ず初診時に必要なわけではありません。

しかし、薬物治療を行っても血圧がうまく下がらない場合などは、因果関係を明らかにするために上記のような検査を行うことがあります。

また、二次性高血圧でないことを確認するための採血をすることも重要です。必要に応じて、アルドステロンやコルチゾール、カテコラミンなどの項目について調べます。

特に、原発性アルドステロン症または高アルドステロン血症を有する方は意外に多いため、一度は検査を受けることが勧められます。その他の検査は、特徴的な身体所見や自覚症状がある場合や、治療効果がなかなか出ない高血圧の方に対して行われることのある検査です。

2-5.⑤高血圧による臓器障害の診断

高血圧の場合は、ただ単に血圧の値を見るだけでなく、高血圧によって起こる臓器障害について着目することも大切です。

診察室での血圧が140/90 mmHg未満の場合でも、糖尿病や脳心血管病の既往歴がある方では臓器障害についてもしっかり見ていく必要があります。脳や眼底、心臓、腎臓、血管についてチェックしていくことが一般的です。

3.高血圧の診断基準とは?


日本高血圧学会では、下記のように高血圧の診断基準が設けられています。

診察室血圧…140/90 mmHg以上
家庭血圧…135/85 mmHg以上

ただし、1回でも上記の基準を超えたらアウトというわけではありません。血圧は1日のなかでも変動するため何度か血圧測定を行い、それでも上記の数値を超える場合は高血圧と診断されます。

では、高血圧の基準を超えなければ問題ないのでしょうか?実は、血圧値の分類はさらに細かくなっています。ここでは、診察室血圧と家庭血圧の間に乖離がある場合、家庭血圧を重要視して方針を決めることになっていることから、家庭血圧の値に着目します。

2つのポイントを覚えておきましょう。1つ目は、血圧は低ければ低いほうが良いということです。家庭血圧が135/85 mmHgを超えると高血圧と診断され、積極的な対応が必要とされますが、それより低い数値にも、高値血圧、正常高値血圧、正常血圧と3つの分類があります。

その名前からも、より低い血圧が望ましいことが分かります。ぜひ、高値血圧のレベルにある方々はもちろん、皆さんで、血圧を下げるためのアクションを起こしましょう。

2つ目は、高血圧も3つの重症度に分かれていることです。I度またはII度の場合、1か月単位で生活習慣改善やそのほかの手段で血圧が改善するかどうか経過を見るということになっています。

しかし、III度高血圧、すなわち家庭血圧で160/100 mmHgを超える最重症高血圧の場合、併存症や合併症の有無によらずすぐに薬物療法を導入することが推奨されているのです。まずは、お薬を飲むことで安全な血圧域におさめましょう。そのあとで、生活習慣を見直すなどの対策をとれば、薬の減量や卒業を目指すこともできます。

「高血圧の基準を超えていない=安心」ではないし、「薬の内服をすぐに始めるべき血圧レベル」もあることを理解して、健康維持のために積極的な行動を心がけるのが吉と言えそうです。

4.どのような方が高血圧になりやすいの?


とくに大きな理由がなく高血圧になる方もいますが、なかには血圧が上がりやすい生活をしていることが原因で高血圧になっている方もいます。ここでは、高血圧になりやすい5つの要因について見ていきましょう。

4-1.家族に高血圧の人がいる方

高血圧の方の約9割を占めている本態性高血圧は、環境因子のほかに遺伝因子も大きく関与していると言われています。しかし、家族が高血圧だからといって必ず遺伝するわけではありません。

遺伝が関与することもありますが、家族と同じような生活スタイルを送ることが原因になっているケースもあります。

4-2.塩分の摂取量が多い方

日本人は塩分摂取量が多いために高血圧になっている方が多いことが特徴です。高血圧の方では、一日の塩分摂取量を6 g未満にすることが推奨されています。

4-3.肥満の方

肥満は血圧を上げる原因です。BMIが20未満の方が高血圧を発症するリスクを1とすると、BMIが25.0~29.9の方ではリスクが1.5~2.5倍高くなることが分かっています。肥満気味の方は体重コントロールを行うようにしましょう。

4-4.運動不足の方

運動不足は高血圧を加速させます。運動する習慣がない方は、1回につき10分以上の運動を一日に合計で40分以上行うように心がけましょう。運動を行うことで収縮期血圧(上の血圧)を2~5 mmHg、拡張期血圧(下の血圧)を1~4 mmHg低下させられると言われています。

4-5.飲酒や喫煙の習慣がある方

飲酒や喫煙も血圧を上げる原因です。飲酒は男性なら一日にビール中瓶1本、女性ならビール中瓶1/2本以下に抑えましょう。喫煙は血管を収縮させる働きがあるほか、動脈硬化を促進させる働きがあります。

5.高血圧の放置は危険


高血圧にはほとんど自覚症状がありません。そのため、高血圧と指摘されても「症状がないから治療しなくても大丈夫」と、治療を後回しにしてしまう方がいます。高血圧の治療をせず後回しにしている間、あなたの体は静かに蝕まれていっているので注意しましょう。

高血圧が続くと血管の弾力性が失われ、動脈硬化を起こして脳出血や脳梗塞などを発症するリスクが高くなります。

6.気になることがあれば「高血圧イーメディカル」へ相談を


高血圧の検査方法や治療方法など、少しでも気になることがあれば、「高血圧イーメディカル」へぜひご相談ください。医師があなたにぴったりのケア方法を提案します。

6-1.無料で血圧計を貸出!自宅でいつでも血圧を測定できる

「血圧が気になりはするけど、自宅に血圧計がない」という方も多いでしょう。
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計測した血圧はリアルタイムで高血圧イーメディカルのチームに共有されるため、急な血圧変動が起きた場合でも安心です。

6-2.気になることがあればいつでも専門チームに相談できる

高血圧イーメディカルを利用すれば、看護師や高血圧専門医をもつ医師が在籍するチームにいつでもチャットで相談できます。気になることはいつでも相談可能です。

6-3.オンライン診療に特化しているから通院不要

高血圧イーメディカルは、オンライン診療に特化したサービスです。診察はスマートフォン台で完結します。自宅にいながら診察を受けられるため、無駄な待ち時間がありません。通院不要で専門医による治療やケアを受けられます。

6-4.保険適用で高血圧の治療を受けられる

高血圧イーメディカルは、保険適用で利用できるサービスです。基本料金に加えて診療代や薬代が必要になります。保険適用なので、治療やケアの継続がしやすいことが特徴です。

7.まとめ


高血圧は、血圧検査や病歴の確認、身体所見の診察などを行って適切な治療方法を探していきます。ただ血圧が高いかどうかを確認するだけでなく、本態性高血圧なのか二次性高血圧なのかを見極めて正しく介入していくことが大切です。

高血圧イーメディカルでは、高血圧に悩みがある方がどなたでも気軽に相談できるよう、オンラインでの診療を行っています。不安なこと、気になることがあればぜひご相談ください。

 

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