痛風に使われる薬の種類は?服用時の注意点や予防法を医師が解説

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

痛風は、血液中の尿酸値が上昇して関節内に結晶ができ、親指の付け根や膝関節などに炎症が起こる病気です。痛風発作が起こっている時期を急性期、尿酸の値が高くなり高尿酸血症となっている状態を慢性期といいます。激しい痛みのために、歩くことすら難しくなるケースも珍しくありません。

痛風発作が起きているときは痛風発作抑制薬や痛風発作治療薬、尿酸値が高い状態のときは、尿酸生成抑制薬や尿酸排泄促進薬、酸性尿改善薬などを使うことが一般的です。

今回は、痛風に使われる薬の種類や服用するときの注意点、痛風を予防する方法などについて詳しく解説します。

1.痛風発作の治療に使われる薬の種類


痛風発作の治療薬には、主に次の2種類があります。

• 痛風発作抑制薬
• 痛風発作治療薬

それぞれの薬にどのような種類があるのか、またどのように痛風に効くのかを見ていきましょう。

1-1.痛風発作抑制薬

痛風発作抑制薬とは、痛風の発作が起きないようにする薬です。痛風の原因となる尿酸の値を下げる効果はありません。

1-1-1.コルヒチン

痛風発作をやわらげたり予防したりするための薬です。発作の前兆が起きたときと、発作を予防したいときの両方で服用できます。白血球や好中球の作用を阻止することで発作を抑制するものです。鎮痛作用や消炎作用はありません。

1-2.痛風発作治療薬

痛風発作治療薬とは、痛風発作が起こっているときに服用する非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のことです。ナプロキセンやプラノプロフェン、オキサプロジンなどが使われます。

1-2-1.ナプロキセン

消炎鎮痛効果がある薬です。通常は300~600mgを1日2~3回に分けて服用しますが、痛風発作の場合は初回で400~600mgとやや多めに服用します。国内で行われた臨床試験では、痛風発作への有効率は82.6%という結果になりました。

1-2-2.プラノプロフェン

痛風発作の消炎鎮痛に効果がある薬です。発作時は、成人1回150~225mgを1日3回服用します。翌日からは、成人1回75mgを1日3回食後に服用してください。臨床試験では40例中36例(90.0%)で有効性が確認されています。

1-2-3.オキサプロジン

痛風発作の消炎鎮痛に効果を発揮する薬です。通常、成人の場合は1日量400mgを1~2回に分けて服用します。1日に服用できる最高量は600mgです。痛みを引き起こす原因となるプロスタグランジンの生合成を抑制して鎮痛効果を示します。

2.高尿酸血症の治療薬


尿酸値が高い状態である高尿酸血症の治療には、次のような薬が用いられます。

• 尿酸排泄促進薬
• 尿酸生成抑制薬
• 酸性尿改善薬

高尿酸血症とは、尿酸値が高くなっている状態のことです。この状態が続くと、関節内に尿酸の結晶ができて痛風に進展することがあります。

2-1.尿酸排泄促進薬

尿細管において尿酸の再吸収を阻害し、尿中への尿酸排泄を促進する薬です。腎機能が低下している高尿酸血症の患者さんでは効果が十分に出ないことがあるため、ほかの薬の使用を検討する必要があります。

2-1-1.ブコローム

尿酸の排泄を促し、尿酸値を下げる薬です。抗炎症作用も持ち合わせています。消化性潰瘍がある方、重篤な肝障害や腎障害がある方は服用できません。

2-1-2.プロベネシド

尿中への尿酸排泄を促進することで尿酸値を下げる薬です。ペニシリンやパラアミノサリチル酸などの血中濃度を増加させる働きがあるため、併用薬がある方は注意する必要があります。

2-1-3.ベンズブロマロン

尿細管で尿酸の再吸収を抑制し、尿酸排泄を促進する薬です。肝障害がある方、腎結石がある方、高度の腎機能障害がある方などは服用できません。

2-1-4.ドチヌラド

尿中と便中への尿酸排泄を促すことで尿酸値を低下させる薬です。軽度から中等度の腎機能障害がある方でも服用できます。

2-2.尿酸生成抑制薬

尿酸はプリン体にキサンチンオキシダーゼという酵素が働くことで作られます。尿酸生成抑制薬は、キサンチンオキシダーゼを阻害することで尿酸の生成を抑制する薬です。

2-2-1.アロプリノール

尿酸を生成するのに必要なキサンチンオキシダーゼなどの酵素の働きを阻害し、尿酸の生成を抑制します。アロプリノールが代謝されてできるアロキサンチンにもキサンチンオキシダーゼを阻害する働きがあることが特徴です。

2-2-2.フェブキソスタット

キサンチンオキシダーゼを阻害することで尿酸の生成を抑制します。アロプリノールとは違い、プリン骨格をもちません。がん化学療法に伴う高尿酸血症の治療に用いられることもあります。

2-2-3.トピロキソスタット

尿酸を生成する働きのあるキサンチンオキシダーゼを阻害して高尿酸血症を改善する薬です。高度の腎機能障害がある方でも服用できます。

2-3.酸性尿改善薬

痛風の患者さんでは、酸性尿を伴っている場合が多くあります。尿酸は酸性条件下では溶けにくく尿路結石や腎障害を起こすことがあるため、尿をアルカリに傾ける必要があります。

2-3-1.クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム水和物

痛風ならびに高尿酸血症における酸性尿を改善する薬です。通常の治療に加えて、尿酸結石を予防するために酸性尿改善薬を併用することが多くあります。

3.痛風のときに薬を服用するときの注意点


痛風の薬を服用するときは、いくつか注意点があります。

3-1.痛風発作が起きているときに尿酸排泄促進薬や尿酸生成抑制薬を服用しない

痛風発作が起きているときに尿酸排泄促進薬や尿酸生成抑制薬を服用するのは良くないといわれています。発作が起きているときに尿酸値が変動すると、炎症がひどくなる可能性があるためです。

尿酸排泄薬や尿酸生成抑制薬の服用を始める前に痛風発作が起きた場合は、症状が治まるまでこれらの服用を開始しないように注意しましょう。

3-2.薬を自己判断で止めたり量を増やしたりしない

痛風の治療薬を服用すると、尿酸値が変動して痛風発作が誘発されることがあります。自己判断で服用を止めたり、逆に服用量を増やしたりすると発作を招く恐れがあるため、必ず医師の指示に従って服用してください。

4.高尿酸血症を予防するために日常生活で気をつけたいこと


高尿酸血症を予防するためには、次のような点に気をつけることが大切です。

4-1.肥満を解消する

肥満の方は高尿酸血症のリスクが上昇することが分かっています。BMIが25以上の方は肥満です。高尿酸血症のほか、高血圧や脂質異常症なども合併しやすいため、肥満の方は食生活や運動習慣を見直して適正体重にするよう心がけましょう。

4-2.プリン体を摂りすぎない

プリン体は、尿酸を作る原料となります。1日400mgを超えて摂取しないように気をつけましょう。鶏レバーやイサキ白子、鰹節や豚レバーなどはプリン体を多く含んでいるので摂りすぎに注意してください。

4-3.水分を多めに摂る

水分を多めに摂ることで尿中の尿酸濃度を低下させることができます。ただし、アルコールやジュースなどは控えてください。

4-4.アルコールを控える

アルコールの摂取は尿酸の生成を促進し、さらに排泄を抑制します。また肥満の原因にもなりやすいため、アルコールの摂りすぎには注意しましょう。

5.高尿酸血症の方は高血圧や脂質異常症にも要注意


高尿酸血症は生活習慣病の一つです。高尿酸血症を発症する生活を送っている方は、同じく生活習慣病である高血圧や脂質異常症を併発している可能性があります。

とくに肥満の方は要注意です。肥満は高尿酸血症をはじめ、高血圧や脂質異常症の原因となることが分かっています。高尿酸血症がある方はほかの生活習慣病を合併していないかもしっかりとチェックしておきましょう。

6.高尿酸血症の治療なら「イーメディカル」へ


イーメディカルは、オンライン診察を行っているサービスです。通院不要で、スマホがあればどこにいても気軽に診察を受けられます。

6-1.保険適用で高尿酸血症の治療を受けられる

イーメディカルの治療は保険適用です。医療機関を受診するのとほとんど変わらない料金で高尿酸血症の治療を受けられます。通院や待ち時間のストレスなく専門チームによる治療を受けられ、さらに保険適用なので気軽に受診できるでしょう。

6-2.高血圧や脂質異常症の治療も一緒に受けられる

イーメディカルでは、高尿酸血症のほかに高血圧や脂質異常症の治療も行っています。そのため、高血圧や脂質異常症を合併している方でもまとめて診察を受けることが可能です。

6-3.処方された薬が自宅まで郵送されるので外に出る必要がない

処方された薬は、自宅まで郵送されます。薬を受け取るために薬局に行く必要がありません。診察から薬の受け取りまで自宅で完結するため、忙しい方や待ち時間にストレスを感じる方でもゆとりをもって治療を受けられます。

7.まとめ


高尿酸血症を放置すると、痛風や痛風腎(痛風による腎障害)を招くことがあります。

しかし、高尿酸血症になったからといって、すぐに治療が必要なわけではありません。治療を始めるタイミングについては、医師に相談してみましょう。

イーメディカルでは、初回相談を無料で行えます。痛風や高尿酸血症について少しでもある方は、お気軽にご相談ください。

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