中性脂肪の数値が高いと言われたら?基準値や下げる方法を医師が解説

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「健康診断で中性脂肪の数値を指摘されてしまった」
「中性脂肪の数値を下げるためにはどうしたらいいの?」

中性脂肪の数値が高いと指摘されると、なんとなく健康に良くない気がすると感じる方がほとんどでしょう。基準値よりも中性脂肪が高くなると、脂質異常症の一つである高トリグリセライド血症と診断されます。

高トリグリセライド血症になると動脈硬化や糖尿病などのリスクが高まるため、数値を正常に近づける努力が必要です。

今回は、中性脂肪の数値が高いと言われたらどうしたら良いのか、数値が高いことでどのような影響があるのかなどについて詳しく解説します。

1.そもそも中性脂肪とは?


中性脂肪とは、血液中に溶け込んでいる脂質の一種です。トリグリセライド(TG)とも呼ばれています。食事から摂取して体内に取り込まれるほか、肝臓で合成されることで血液と一緒に全身を回ることが特徴です。

中性脂肪と聞くと体に悪いイメージがあるかもしれませんが、実は臓器や筋肉が動くためのエネルギー源としても使われています。そのため、中性脂肪そのものが体にとって悪いわけではありません。

問題となるのは、基準値より多くの中性脂肪がある場合です。エネルギー源として使われなかった中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪として体に蓄えられます。つまり、中性脂肪は体脂肪でもあるのです。

2.中性脂肪の数値が増える原因


中性脂肪の数値が高くなる原因にはいくつかあります。ここでは5つの原因について見ていきましょう。

2-1.脂質や糖質の摂り過ぎ

脂質や糖質の摂り過ぎは、中性脂肪の数値を高くする原因です。摂り過ぎることによってエネルギーが過剰となり、中性脂肪として蓄えられていきます。脂質や糖質が多い食べ物を好む方は、中性脂肪の数値が高くなりやすいので注意しましょう。

2-2.アルコールの摂り過ぎ

アルコールの摂り過ぎも中性脂肪の数値を高めることにつながります。大量のアルコールを摂取すると、アルコールの代謝時に肝臓で中性脂肪が作られてしまうのです。

過度にアルコールを摂取しなければ中性脂肪の数値は高くならないと言われています。アルコールを摂取するときは適量を心がけましょう。また、脂質や糖質の多いおつまみを食べすぎないことも大切です。

2-3.運動不足

運動不足の状態が続くと、中性脂肪を消費する量が少なくなるため、数値が高くなってしまいます。消費するエネルギーが少なくなり、余ったエネルギーが中性脂肪として蓄えられてしまうためです。

また、筋肉量の低下によって基礎代謝量が減少し、脂肪を消費できずに中性脂肪の数値が高くなることもあります。

2-4.喫煙

喫煙は体にさまざまな害をもたらすものですが、中性脂肪の数値を高めることでも知られています。中性脂肪の数値は、食生活や運動習慣による影響を大きく受けるものです。

しかし、喫煙すると脂質や糖質の代謝に影響が出るため、中性脂肪の数値が高くなってしまいます。タバコに含まれているニコチンの影響で中性脂肪を作る働きも促進されるため、喫煙は中性脂肪の数値に大きな影響を与えると言えるでしょう。

2-5.加齢

人は年を取ると、誰でも基礎代謝が低下します。その影響で中性脂肪の数値も高くなりやすくなるのです。とくに男性では加齢によって中性脂肪が高くなる傾向にあります。

3.中性脂肪の数値はどれくらいなら正常?


中性脂肪の値には、基準値が存在します。ざっくりと基準値の範囲内なら正常、基準値より高い場合は異常です。

3-1.中性脂肪の基準値

中性脂肪の数値は、30~149 mg/dlが基準値とされています。ただし、150 mg/dl未満だからといって、健康であると言い切れるわけではありません。基準値の上限に近い数値の場合は、脂質異常症にならないように普段の食生活や運動習慣を見直す必要があります。

また、逆に中性脂肪の数値が低すぎる場合も、エネルギー不足に陥る可能性があるため注意が必要です。

3-2.中性脂肪が高くなると脂質異常症に

空腹時に計測した中性脂肪の数値が150 mg/dl以上になると、脂質異常症と診断されます。これまでは空腹時の値のみが脂質異常症の診断基準でしたが、現在は非空腹時の値も追加されました。非空腹時の場合は175 mg/dl以上だと脂質異常症となります。

4.中性脂肪の数値が高いとなりやすい病気

中性脂肪の数値が高いと指摘されるのは、高いまま放っておくことで病気のリスクが高まるためです。ここでは、中性脂肪の高値によって引き起こされる主な病気について紹介します。

4-1.動脈硬化

動脈硬化とは、血管の弾力性が低下した状態のことです。プラークがついたり血栓ができたりすることで詰まりやすい状態になっています。

動脈硬化は命に関わるさまざまな病気を引き起こす要因となるため、注意が必要です。たとえば心筋梗塞や脳梗塞などは、動脈硬化が発端となって起きます。

4-2.肥満

肥満は、体脂肪が過度に蓄積した状態のことです。一般にBMIという指標を用いて肥満かどうかを判断します。BMIが25.0以上になると肥満です。

中性脂肪の数値が高くなると、エネルギーとして使われなかった中性脂肪が貯蔵されるため肥満を招きます。

4-3.急性膵炎

急性膵炎とは、膵臓に急性の炎症が起きた状態のことです。アルコールや胆石が原因となって発症しやすいことが知られていますが、中性脂肪の高値によっても引き起こされることがあります。みぞおちの激しい痛みや吐き気、発熱などが代表的な症状です。

4-4.糖尿病

中性脂肪は糖尿病の原因にもなります。糖尿病は肥満や運動不足、内臓脂肪の蓄積などによって発症しやすくなる病気です。中性脂肪の数値が高くなると、内臓脂肪が蓄積しやすくなり、結果として糖尿病につながることがあります。

5.中性脂肪の数値は低すぎるのも問題

中性脂肪は低ければ低いほど良いというわけではありません。基準値が30~149 mg/dlとなっていることからも分かるように、低すぎても問題なのです。中性脂肪の数値が29 mg/dl以下の場合は、病気が疑われたり食生活や運動習慣に問題があったりするケースがあります。

低トリグリセリド血症はめったに生じませんが、珍しいぶん、逆に注意が必要です。原因としては、甲状腺機能亢進症や極端なダイエットが見られます。

体質や遺伝によって中性脂肪が低くなりやすい方もいますが、基準値を下回る場合は必ず医療機関を受診するようにしましょう。

6.中性脂肪の数値を下げるための生活習慣


中性脂肪の数値が高いと指摘されたら、まずは生活習慣の見直しから始めます。

6-1.摂取カロリーを適正にする

摂取カロリーを適正にすることで、エネルギーの余剰を防ぎ中性脂肪の数値を下げることが可能です。1日に必要なエネルギーは、「基礎代謝量×身体活動レベル」で計算できます。

基礎代謝量とは、生活するうえで必要な最低限のエネルギー量のことです。簡単に必要なエネルギーを計算できるサイトがあるので、そちらを利用してまずは適正な摂取カロリーを把握しましょう。

6-2.糖質や脂質を摂り過ぎない

糖質や脂質は中性脂肪を作る材料となるため、摂り過ぎに注意が必要です。炭水化物の量を減らしたり脂っこい食事を控えたりすることで、中性脂肪の数値を下げられます。

6-3.飲酒を控える

中性脂肪の数値を下げるためには、飲酒を控えることも大切です。飲酒をすると、肝臓で中性脂肪が普段よりも多く作られます。そのため、飲酒は適量にとどめておくようにしましょう。厚生労働省では、1日あたり25 gのアルコール摂取に抑えるように推奨しています。

6-4.適度な運動を行う

運動は中性脂肪の数値を下げるのに効果的です。1日に30分以上の運動を行うことが望ましいとされています。運動を数回に分けて、1日の合計が30分以上になるようにしても問題ありません。

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が取り組みやすいでしょう。ウォーキングを行う場合は通常の歩行、もしくはそれよりやや速い程度の速度が推奨されています。

7.中性脂肪が気になるなら「高血圧イーメディカル」に相談!


中性脂肪の数値を指摘され、「どうしたら良いの?」「病院にかかったほうがいいの?」とお悩みではありませんか?そのような方にぜひご活用いただきたいのが、「高血圧イーメディカル」です。

7-1.脂質異常症の専門医が在籍

高血圧イーメディカルには、日本内分泌学会認定の内分泌代謝科専門医が在籍しています。中性脂肪の数値について専門知識をもつ医師がしっかりと対応してくれるため、その人に合った生活習慣や治療法を提案してもらえます。

7-2.専門チームにいつでも相談できる

高血圧イーメディカルでは、看護師や医師などの専門チームがいつでもチャットから相談を受け付けています。

「中性脂肪の数値を下げるために運動を始めたんだけど、こんな感じでいいのかな?」「どういう食生活を心がけたらいいの?」など、気になることは何でもご相談ください。

7-3.オンラインで診察を受けられる

オンラインで診察を受けられるため、混んでいる病院で何十分も順番待ちをする必要がありません。待ち時間ゼロで診察を予約した時間に診てもらえます。診察や薬代は保険適用です。対面で診察を受けるのとほとんど変わらない料金で受診できます。

8.まとめ


中性脂肪の数値が高いと言われたら、基準値を下回れるように生活習慣や運動習慣の見直しを行いましょう。30~149 mg/dlが基準値とされているので、150 mg/dl以上とならないように注意してください。

中性脂肪の数値が高い状態を放っておくと、動脈硬化や肥満、急性膵炎や糖尿病などの発症リスクを高めることがあります。

中性脂肪について少しでも気になることがある方は、お気軽に高血圧イーメディカルにご相談ください。保険適用で待ち時間なく専門医の診察を受けられます。

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