医師監修|高血圧の改善に有効な9つの方法を紹介!自宅で治療する方法も。

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「高血圧を改善するにはどうしたらいいの?」
「自宅でもできる高血圧の改善方法はある?」

20歳以上の日本人のうち、約2人に1人は高血圧だと言われています。健康診断などで「血圧が高めですね」と言われ、どうすれば高血圧を改善できるのか気になっている方が多いのではないでしょうか。

高血圧の改善には、日常生活の見直しが有効です。この記事では、具体的にどうすれば高血圧を改善できるのか、自宅でもできる簡単な方法を9つ紹介します。

1.そもそも高血圧とは?

どの程度まで血圧が上がると高血圧と言われるのかご存知ですか?実は、高血圧と言ってもいくつか段階があります。

1-1.高血圧の基準

日本高血圧学会では、診察室で計測した血圧が140/90 mmHg以上の場合を高血圧としています。自宅で測る場合は、診察室よりも低い135/85 mmHg以上が基準値です。このほか、血圧は下記のように分類されています。

分類

診察室血圧

家庭血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

正常血圧

<120 かつ <80

<115 かつ <75

正常高値血圧

120-129 かつ <80

115-124 かつ <75

高値血圧

130-139 かつ/または 80-89

125-134 かつ/または 75-84

度高血圧

140-159 かつ/または 90-99

135-144 かつ/または 85-89

度高血圧

160-179 かつ/または 100-109

145-159 かつ/または 90-99 

度高血圧

180 かつ/または 110

160 かつ/または 100

診察室血圧の場合、高血圧と診断されるのは140/90 mmHg以上からですが、この値を超えていないからといって必ずしも安心できるというわけではありません。

高血圧とは診断されないものの、正常高値血圧レベル以上の場合は、生活習慣の見直しが必要になります。これまで通りの生活を続けていると、高血圧に移行する可能性が高いので注意しましょう。

また、正常高値血圧以上の状態が長く続くと、血管や心臓に負担がかかって心血管疾患を起こすこともあります。

1-2.高血圧の症状

高血圧にはほとんど自覚症状がありません。そのため、気がついたら血圧が高くなっていたという方が多いのではないでしょうか。ただし一部の方では、次のような症状が見られることがあります。

• 動悸
• 息切れ
• 頭痛
• めまい
• 耳鳴り
• 肩こり

自覚症状がないことが多いものの、だからといって高血圧を放っておいていいわけではありません。血圧を指摘されても症状がないので放置する方もいますが、高血圧は確実に体をむしばんでいきます。

1-3.高血圧のリスク

自覚症状がほとんどないにもかかわらず高血圧を放置してはいけないのは、血圧が高いことによって動脈硬化のリスクが高まるためです。動脈硬化とは、血管の弾力性が失われて詰まりやすくなっている状態のことを指します。

狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞を引き起こす原因となるため、血圧が高い場合はなるべく早めに適切な対処を行うことが大切です。基本的には「血圧が高めです」と指摘された時点で、生活習慣の見直しなど何かしらの対処を始める必要があります。

2.高血圧の原因とは

血圧はさまざまな影響によって変動します。高血圧になる理由としては、次のものが代表的です。

2-1.塩分の摂り過ぎ

塩分を摂り過ぎると、塩分濃度を薄めるために血液中に水分が多く集まり、血圧が高くなります。高血圧がある方では1日の塩分摂取量を6 g未満にすることが推奨されていますが、日本人の平均摂取量を見ると大幅にオーバーしているのが実情です。

「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、食塩摂取量の平均値は1日あたり10.1 gでした。男女別に見ると、男性は10.9 g、女性は9.3 gです。この数字を見ると、私たちは毎日とても多くの塩分を摂っていることが分かります。

2-2.過剰な飲酒

過剰な飲酒は高血圧を招きます。少量のアルコール摂取は血管を広げるため血圧を下げることもありますが、長期的な飲酒は血圧を上げてしまうので注意しましょう。血圧が下がるのは一時的な現象で、長期的に見れば血圧は上昇します。

また、アルコールと一緒におつまみを食べる方は塩分の摂取量にも気をつけなければなりません。おつまみには塩分が多く含まれているものが多々あるため、簡単に1日の推奨摂取量を超えてしまう恐れがあります。

2-3.ストレス

ストレスを溜め込みやすい生活も血圧を上げる原因です。脳がストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れて血圧が上がりやすくなります。

厚生労働省が実施していた「労働者健康状況調査」によると、ストレスを抱えながら仕事をしている方の割合は年々増えており、2012年の調査では60.9%もの方がストレスを感じていることが明らかになっています。

最近では、職場高血圧というものが問題視されるようになってきました。職場高血圧とは、医療機関で測定した血圧は基準範囲におさまっているにもかかわらず、ほかの場所で測定すると血圧が高くなってしまうことです。仮面高血圧とも呼ばれており、ストレスなどが関係していると言われています。

2-4.運動不足

運動不足の方は血圧が上がりやすいので注意しましょう。運動には、余分な塩分を排出する働きがあります。塩分は血圧を上げる大きな原因となるため、排出が滞ればその分血圧も上がってしまうのです。

また、運動不足は肥満を招く原因にもなります。肥満も高血圧のリスクとなるので注意が必要です。BMIが20未満の方が高血圧になるリスクを1とすると、BMIが25.0~29.9の方では1.5~2.5倍にまでリスクが上がると言われています。

2-5.喫煙

喫煙すると、タバコに含まれているニコチンの働きによって血圧が上昇することが明らかです。1本の紙巻きタバコを吸うと、15分以上も持続して血圧が上昇することが分かっています。喫煙すると、交感神経の活動が亢進し、血管が収縮するため血圧が上がるのです。

高血圧がない2万8,000人のアメリカ人女性を対象にした研究では、紙巻きタバコを1日に15本以上吸う方で高血圧を発症する割合が高かったことが分かっています。

2-6.遺伝

高血圧のなりやすさには、遺伝も関係しています。生活習慣病の一つとして知られる高血圧ですが、実は遺伝も大きく関与しているのです。

大きく分けると高血圧には原因を特定できない本態性高血圧と、甲状腺や副腎などの病気によって起こる二次性高血圧とがあります。高血圧の患者の約9割は本態性高血圧です。このうち約6割は遺伝によって発症していると考えられています。

2-7.加齢

血圧は加齢に伴って上昇することがほとんどです。老化により、血管の弾力性が低下するため、心臓が大きく収縮しなければ血液を送り出せなくなります。

また、自律神経の働きが低下することも高血圧になりやすくなる原因の一つです。血圧の変動に体が対応できず、上がりやすい状態になります。

3.高血圧を改善するための食事

高血圧を改善するためには、食生活に気をつけることがとても大切です。ここでは、今日からでもできる3つのポイントを見ていきましょう。

3-1.塩分の量を減らす

まずは摂取する塩分の量を減らしましょう。高血圧の方は、1日の塩分摂取量が6 g未満になるようにします。日本の食事は塩分量が多い傾向にあるため、注意が必要です。塩分量を減らすためには、以下のことに気をつけてみてください。

• 漬物を控える
• 麺類の汁を残す
• 新鮮な食材の持ち味を活かして薄味にする
• 味噌汁を具だくさんにして汁の量を減らす
• 低ナトリウムの調味料を使う
• 香辛料や香味野菜を使って味を整える
• 外食や加工食品を控える

3-2.アルコールを飲み過ぎない

アルコールの量は、エタノール換算で1日あたり男性で20~30 ml以下、女性で10~20 ml以下にすることが推奨されています。

男性の場合は日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯を目安にしましょう。女性の場合は、この半分程度におさめるようにしてください。

3-3.カリウムを積極的に摂る

カリウムにはナトリウムを排出する働きがあることから、高血圧の対策に有効です。野菜や果物など、カリウムを多く含む食品を摂ることで血圧を下げることができます。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、男性で1日あたり2,500 mg、女性で2,000 mgのカリウムを摂取するように目安量が定められているため、こちらの量を参考にしてみてください。

4.高血圧を改善するための運動

高血圧を改善するためには、運動を定期的に行いましょう。できるだけ毎日行うのが理想です。「ややきつい」と感じる程度の運動を1日に30分以上行います。

ウォーキングやジョギング、ランニングなどの有酸素運動がおすすめです。一度に時間を取れない場合は、10分以上の運動を数回に分けて行っても構いません。

5.高血圧を改善するためにできるその他のこと

食事や運動習慣の見直し以外にも高血圧の改善に役立つことがあります。一度にすべてを行うのは難しいかもしれませんが、できそうなものから少しずつ取り組んでいきましょう。

5-1.肥満を解消する

日本肥満学会では、BMIが25以上の場合を肥満と定義しています。肥満の方は、1日のエネルギー摂取量を見直し、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにしましょう。摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすことが大切です。

5-2.禁煙する

喫煙している方は、禁煙してください。喫煙している本人だけでなく、受動喫煙した方の血圧も上がってしまうことが分かっています。自力で禁煙するのが難しい場合は、市販の禁煙ガムや禁煙パッチを利用したり、禁煙外来に通ったりしてみると、禁煙できる確率が上がるので試してみてください。

5-3.ストレスを溜め込まない

心理的・社会的ストレスによって高血圧の発症割合が2倍以上になることが分かっています。そのため、ストレスはこまめに発散することが大切です。ヨガや瞑想、入浴など、自分に合ったストレス解消法をまずは見つけましょう。

5-4.睡眠をしっかり取る

良質な睡眠を取ることで、血圧を下げることができます。睡眠不足は高血圧だけでなく、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などのリスクを上げる原因です。次に挙げるポイントを意識して、質の良い睡眠を取れるようにしましょう。

• 就寝の2~3時間前に入浴する
• 朝起きたら日光を浴びる
• 寝る前に強い光を浴びない
• 寝る直前に食事をしない
• カフェインに敏感な方は、就寝の5~6時間前から摂取を控える

5-5.降圧薬を服用する

食事療法や運動療法を行っても十分に血圧が下がらない場合などは、降圧薬の使用も検討します。カルシウム拮抗薬(CCB)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、利尿薬などを使用することが一般的です。

血圧の高さや年齢などによって適切な降圧薬が変わってくるため、医師とよく相談しながら自分に合うものを見つけることが大切です。

6.自宅で自分の血圧を知る方法

自宅で血圧を知りたい方は、家庭用の血圧計を使うとよいでしょう。血圧計には、大きく分けて次の3つの種類があります。

• 上腕式(巻き付け式)
• 上腕式(アームイン型)
• 手首式

正確な血圧を知りたい方には、上腕式(巻き付け式)がおすすめです。場所を取らず保管でき、手首式よりも真の値に近い血圧を知ることができます。カフの巻き方によって値が変わってしまうため、正しく巻けているかをチェックしてくれる機能がついたものがベストです。

7.高血圧の改善なら「高血圧イーメディカル」にお任せ!

高血圧をどのように改善したら良いのか迷っている方は、「高血圧イーメディカル」をご活用ください。プランをご契約していただいた方には、無償でオムロン製の血圧計を貸し出しています。

7-1.自宅にいながら保険適用で高血圧の管理をしてもらえる

保険適用で利用できるので、料金は医療機関を受診するときとほとんど変わりません。基本料金1,980円(月額)+診療代・薬代でご利用できます。

7-2.高血圧の専門チームが在籍

高血圧イーメディカルには、高血圧に関する専門知識をもった医師が在籍しています。高血圧を専門に診療を続けてきた医師たちがあなたの血圧をしっかり管理し、サポートしてくれることが特徴です。

7-3.診療から薬の受け取りまで自宅で完結

高血圧イーメディカルは、診察から薬の受け取りまで自宅で完結します。外に出ることなく高血圧の治療を受けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。仕事が忙しい方や近くに高血圧を専門に診ている医療機関がない方でも高血圧イーメディカルなら気軽に利用できます。

8.高血圧の改善に関するQ&A

最後に、高血圧の改善に関してよく聞かれる質問にお答えします。

8-1.血圧を下げる食べ物はありますか?

血圧を下げるのに良い食べ物は、塩分が少ないものやミネラルが豊富なものなどがあります。野菜やフルーツ、大豆加工品やヨーグルト、ナッツなどを摂るとよいでしょう。

8-2.血圧を下げる飲み物はありますか?

コーヒーやココア、豆乳や緑茶は血圧を下げる効果が期待できます。逆にアルコールや塩分の多い汁物、ジュースやスポーツ飲料は血圧を上げやすいので注意してください。

8-3.高血圧が治ることはありますか?

高血圧が完治するのは難しいと言われています。ただし、食事療法や運動療法によって降圧剤を飲まなくて良い状態にしたり、量を減らしたりすることが可能です。

9.まとめ

高血圧を改善するためには、生活習慣の見直しを行う必要があります。以下の点に気をつけて生活することで、血圧を改善できるでしょう。

• 塩分の量を減らす
• アルコールを飲み過ぎない
• カリウムを積極的に摂る
• 適度な運動を行う
• 肥満を解消する
• 禁煙する
• ストレスを溜め込まない
• 睡眠をしっかり取る

このほか、降圧剤を使って血圧のコントロールを行うこともあります。一度にすべてを実施するのは難しいため、できるものから生活習慣を変えていきましょう。血圧の管理に関して不安なことがあれば、いつでも高血圧イーメディカルにご相談ください。相談は無料で行えます。

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