「コレステロールを下げる食べ物が知りたい」
「コレステロールが高めだと言われたから何か対策を始めたい」
健康診断でコレステロールが高いことを指摘され、食生活を改めようと考えていませんか?脂質異常症の患者さんは、全国に3,000万人以上いると言われています。日本人の約4人に1人は脂質異常症なのです。
脂質異常症は薬で治療することもできますが、まずは食生活を見直すことがとても大切です。今回は、コレステロールを下げるのに役立つ食べ物について紹介します。
目次
1.LDL(悪玉)コレステロールを下げるのにおすすめの食べ物
コレステロールを下げないといけないのは、そのままにしておくと動脈硬化のリスクが高まるためです。動脈硬化を予防するためにも、コレステロールを下げる食べ物を積極的に摂っていきましょう。
1-1.野菜
野菜にはLDLコレステロールがほとんど含まれていません。そのため、LDLコレステロールを下げるためには、動物性の食品よりも野菜のように植物性の食品を多く摂ることが大切です。
また、野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、LDLコレステロールを下げたり血糖値の上昇を抑えたりするのにも効果的です。胃のなかを移動しながらLDLコレステロールを包み込んで体の外へ排出してくれます。
食物繊維が多い野菜としては、次のものが代表的です。
食品名 | 100gあたりに含まれる食物繊維の量 |
トマト | 21.7g |
グリーンピース | 10.3g |
ごぼう | 6.1g |
オクラ | 5.2g |
枝豆 | 5.0g |
1-2.海藻
海藻も食物繊維を多く含んでいるため、LDLコレステロールを下げる効果があります。食物繊維はコレステロールから作られる胆汁酸の排泄を促し、血中のLDLコレステロールを下げるため、LDLコレステロールを下げたい方にぴったりです。
動物性食品にはほとんど含まれていないため、海藻や野菜などの植物性食品からしっかりと食物繊維を摂りましょう。
食物繊維を多く含む海藻としては、次のものが知られています。
食品名 | 100gあたりに含まれる食物繊維の量 |
ひじき | 51.8g |
乾燥わかめ | 39.2g |
いわのり | 36.4g |
ほしのり | 31.2g |
塩昆布 | 13.1g |
1-3.大豆製品
大豆には、LDLコレステロールを下げる効果があります。ゆるやかな効果ではありますが、日々の食事に取り入れることでLDLコレステロール値の改善を目指せるでしょう。
豆腐や納豆、味噌など大豆製品にはさまざまな種類があるので、ぜひ毎日の食事にプラスしてみてください。
1-4.魚類
魚の脂に含まれているEPAやDHAは、LDLコレステロールを下げる働きがあります。LDLコレステロールだけでなく中性脂肪も下げてくれるため、脂質異常症が気になる方は積極的に摂るようにしましょう。
EPAやDHAは、普通の魚ではなくマグロやサンマ、イワシなどの青魚に多く含まれています。食事で肉を摂る機会が多い方は、肉の代わりに青魚を食べるようにしましょう。
1-5.植物由来の油
オリーブ油や大豆油など植物由来の油である不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを下げる働きがあります。逆に、バターや肉の脂身に含まれる飽和脂肪酸は、LDLを増加させる油です。洋食を食べると知らず知らずのうちに飽和脂肪酸を多く摂ってしまうことがあるので、普段から和食中心の食事を心がけるとよいでしょう。
2.LDL(悪玉)コレステロールを下げたいときに避けるべき食べ物
LDLコレステロールを下げる食べ物がある一方で、なかには逆に上げてしまう食べ物もあります。LDLコレステロールが気になる場合、次の3つはできるだけ控えるようにしましょう。
2-1.脂身の多い肉
牛や豚の脂身には、飽和脂肪酸が多く含まれています。飽和脂肪酸は私たちの体を動かすエネルギー源として重要ですが、摂りすぎるとLDLコレステロールを上げてしまうため注意が必要です。
肉を食べるのは問題ありませんが、脂身は取り除いて食べるなど工夫をするようにしましょう。普段から肉を食べる機会が多い方は、EPAやDHAが豊富に含まれている魚を代わりに食べるのがおすすめです。
2-2.卵
卵を食べすぎるとLDLコレステロールが上がるので良くないと聞いたことはありませんか?卵には100gあたり370mgのコレステロールが含まれています。脂質異常症になったら卵の摂取個数を減らすべきだという声を聞くことも少なくありません。
コレステロールは、食事から摂取することでも上昇します。ただし、コレステロールの摂取量と血中のコレステロール値が明確に一致しているわけではないとの研究があるのも事実です。あまり神経質になり過ぎる必要はありませんが、卵の摂り過ぎには注意しましょう。
2-3.魚卵
魚卵もコレステロールを多く含む食品の代表格です。たとえばいくらには、100gあたり480mgものコレステロールが含まれています。ただし、こちらも卵と同様に、摂取量が多くなったからといって必ずしも血中のコレステロール値の上昇と一致するわけではありません。
摂り過ぎは良くありませんが、絶対に食べてはいけないというわけではありません。適度な摂取量を心がけましょう。
3.そもそもコレステロールって何?
コレステロールと聞くと、体に悪いものだとイメージされる方が多いかと思います。しかし、実は一概にコレステロールが体に悪いわけではないのです。
3-1.コレステロールの働き
コレステロールとは、人間の体内に存在する脂質の一つです。ホルモンや胆汁酸を作る材料となるため、コレステロールがなければ私たちは生きていけません。つまり、コレステロールは私たちにとって完全に悪とは言い切れないのです。
3-2.コレステロールには善玉と悪玉の2種類がある
コレステロールといっても下げるべきコレステロールと、下げなくても良いコレステロールとがあります。
LDL(悪玉)コレステロールは肝臓のコレステロールを全身に運ぶため、下げなければいけません。一方でHDL(善玉)コレステロールは、体内に溜まったコレステロールを回収するため、少な過ぎることが問題となります。
3-3.コレステロールと中性脂肪の違い
コレステロールと中性脂肪はまったくの別物です。中性脂肪は食品中の脂質に多く含まれており、単に脂肪と呼ばれることもあります。体を動かすためのエネルギーとして使われますが、摂取しすぎると体内に蓄えられて脂肪となるため注意が必要です。
4.コレステロールの数値が異常になる脂質異常症に注意
脂質異常症は、生活習慣病の一つです。脂質の値が基準値から外れた状態を脂質異常症と言います。LDLコレステロールと中性脂肪(トリグリセリド)は基準値より高い場合、HDLコレステロールは基準値より低い場合が問題となります。
脂質異常症の診断基準は以下の通りです。Non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値を指します。
LDLコレステロール | 140 mg/dL以上 |
HDLコレステロール | 40 mg/dL未満 |
トリグリセリド | 150 mg/dL以上(空腹時採血) |
175 mg/dL以上(随時採血) | |
Non-HDLコレステロール | 170 mg/dL以上 |
5.LDL(悪玉)コレステロールの増加によりリスクが高まる病気
LDLコレステロールが高い状態のまま放置しておくと、動脈硬化のリスクが高まります。その結果、次のような病気を引き起こすことがあるため、十分な注意が必要です。
5-1.狭心症
狭心症は、心臓を取り巻く血管が細くなることで血液が流れにくくなっている状態です。心臓に十分な血液を送れなくなると、酸素が行き届かなくなり胸の痛みや圧迫感が表れます。
5-2.心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓が酸素不足となって壊死を起こす病気です。えぐられるような強い胸の痛みを伴います。狭心症とは違い、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まったり急速に血管が細くなったりした状態です。
5-3.脳出血
脳の細い血管が裂けて出血を起こした状態を脳出血と言います。前兆はほとんどなく、前触れもなく症状が起こることが一般的です。吐き気や意識障害などの症状が出ます。
5-4.脳梗塞
脳梗塞とは、脳の動脈が詰まり脳が壊死する病気です。言葉が出てこない、呂律が回らない、片方の手足がしびれているなどの症状が起こります。
5-5.高血圧
動脈硬化が進むと、血液の通り道が狭くなるため血圧も上がってしまいます。高血圧によって脳出血や脳梗塞、大動脈瘤などの疾患を招くことがあるため、十分な注意が必要です。
6.食べ物以外でLDL(悪玉)コレステロールを下げる方法
LDLコレステロールは食べ物に気を使うこと以外でも下げることができます。余裕がある方は食生活を変えるだけでなく、次のような方法も意識して取り組んでみましょう。
6-1.定期的に運動を行う
脂質異常症を改善するためには、生活習慣を見直すことが大切です。中強度以上の有酸素運動を毎日合計で30分以上行うようにしましょう。ウォーキングやスロージョギング、サイクリングなど続けやすい運動で構いません。1日30分以上の運動を週に3日行うことで、LDLコレステロールを下げることができます。
6-2.禁煙する
タバコに含まれているニコチンや一酸化炭素には、LDLコレステロールを増やす働きがあります。さらには善玉であるHDLコレステロールを減らしてしまう働きがあるため、喫煙している方は早めに禁煙しましょう。また、喫煙そのものによって血管が傷つき、動脈硬化を起こしやすくなることも分かっています。
6-3.ストレスを溜めない
ストレスを溜め込むと、ホルモンの影響でLDLコレステロールが上昇してしまいます。血圧や血糖値も同時に上がりやすくなるため、こまめにストレスを発散することが大切です。
7.「高血圧イーメディカル」でコレステロールの管理を始めよう!
「コレステロールが気になっているけど、自分で管理できる自信がない」
「食生活や運動習慣のサポートを行ってほしい」
このようなお悩みがありましたら、ぜひ高血圧イーメディカルにお任せください。
7-1.脂質異常症の専門医が担当
高血圧イーメディカルには、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医の資格をもつ医師が在籍しています。脂質異常症についての知見をもつ医師から、食生活をどうしたら良いのか、運動を増やしたほうが良いのかなどについて詳しくアドバイスを貰うことが可能です。
気になることはいつでもオンライン上で質問できるので、毎日の過ごし方に悩む必要もありません。
7-2.オンライン上で診察から薬の処方まで完結
高血圧イーメディカルの特徴は、高血圧だけでなく脂質異常症の診察や薬の処方についてもすべてがオンライン上で完結することです。病院に足を運ぶことなく自宅にいながら診察を受けられ、薬も郵送してもらえるので忙しい方でも気軽に受診できます。
8.まとめ
LDLコレステロールを下げる食べ物としては、野菜や海藻、大豆製品や魚、植物由来の油などがあります。普段の食事にこれらの食べ物を取り入れることで、気軽にLDLコレステロールの対策ができるでしょう。余裕がある方は運動や禁煙などにも取り組んでみてください。
一人でLDLコレステロールの管理をするのが不安な方は、診察から相談、薬の処方までオンライン上でできる高血圧イーメディカルの活用をおすすめします。