「血圧を下げるにはどんな飲み物を飲めばいい?」
「飲み物と血圧にはどんな関係があるの?」
血圧を下げるため、飲み物に気を遣いたいという方は、少なくないでしょう。とても素晴らしい心がけだと思います。結論から言うと、飲めばすぐに血圧が下がるという薬のような飲み物はありません。ただし、飲み続けることで血圧が下がりやすくなる飲み物は存在します。
血圧を下げる飲み物とは、「食塩無添加で血圧低下に役立つ栄養素を含む飲み物」のことであり、具体的には以下のようなものです。
逆に、以下のような飲み物は血圧を上げるため、おすすめできません。
飲み物は日々の生活に欠かせないものであり、「どれを選ぶか」によって血圧に影響する重要なファクターだといえます。そのため、正確な知識を身につけておくことが大切です。
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
▼血圧を下げるのに役立つ飲み物・血圧を上げる飲み物
▼飲み物が血圧を下げる理由
▼血圧を下げる栄養素を効率的に摂取できる飲み物レシピ
▼うまく高血圧ケアをする工夫
この記事を読むことで、血圧を下げるためには何をどのように飲むべきかということがわかります。
高血圧をしっかりとケアして健康な毎日を送るために、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 血圧を下げるために取り入れたい飲み物一覧
まずは、血圧を下げるために取り入れたい飲み物を具体的にご紹介します。
上記のような飲み物は、「食塩無添加かつ血圧低下に役立つ栄養素を含む」ため、飲み続けることで血圧が下がりやすくなります。
それぞれの飲み物について、解説していきます。
1-1. 野菜・果物ジュース
血圧を下げる飲み物としてまずおすすめしたいのは、野菜や果物のジュース(スムージー含む)です。
なぜなら、野菜や果物にはカリウムが豊富だからです。
高血圧ケアでは減塩が重要視されますが、これは体内にナトリウムが増えることで血圧が上がるのを防ぐためです。
カリウムには、血圧を上げるナトリウムを体外へ排泄するという働きがあります。そのため、野菜や果物を摂取すると血圧が下がりやすくなるのです。
また、野菜や果物に含まれる食物繊維もナトリウムの排泄を促すとともに、動脈硬化を防いで血圧を上がりにくくするという効果も期待できます。
野菜や果物に含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
カリウム | ナトリウムを体外へ排泄する |
食物繊維 | ナトリウムを体外へ排泄する 動脈硬化を防ぐ |
スムージーを手作りする、市販のジュースを購入する、などどんな方法でも構わないため、毎日飲むようにするとよいでしょう。
ただし、以下のような点に注意してください。
・果物ジュースは果汁100%のものを選ぶ
・商品のパッケージを確認し、「食塩相当量」の低いものを選ぶ
・カロリー過多にならないよう気を付ける
「食塩相当量」の低いジュースの選び方 野菜・果物ジュースを購入する場合には、商品のパッケージに記載されている「栄養成分表示」のうち「食塩相当量」という項目を必ず確認してください。 そして、食塩相当量が概ね0.2g以下のものを選びましょう。 血圧が高い人の塩分摂取量は、1日あたり6g未満がよいとされています。0.2g以上をジュースから摂取してしまうと、食事の塩分にかなり気を遣わなくてはならないからです。 野菜・果物ジュースの多くは食塩無添加ですが、素材自体に含まれるナトリウムの影響で、ある程度食塩相当量が多い商品もあります。 果物ジュースに関してはほぼ問題ありませんが、原材料としてたくさんの野菜を使っているジュースでは、食塩相当量が0.4~0.5gに上る商品がほとんどです。 しかし、血圧が高い人へ向けた「機能性表示食品」を謳う野菜ジュースであれば、食塩相当量が0.2g以下のものがありますので、ぜひ活用してみてください。 特にトマトジュースは、カリウムや食物繊維に加えてGABA(ギャバ:正式名称γ-アミノ酪酸)を含んでいるのでおすすめです。 GABAには、血管を収縮させる神経伝達物質「ノルアドレナリン」の分泌を抑える働きがあります。その結果、血管の緊張が解除され血液が流れやすくなるため、血圧が下がるのです。 |
1-2. ノンアルコールの赤ワイン
ノンアルコールの赤ワインも、血圧を下げる飲み物としておすすめです。
赤ワインに多く含まれるポリフェノールには、血管の老化を防ぐ働きがあります。そのため血管が広がり、血液が流れやすくなって、血圧が下がるのです。
日常的に赤ワインを飲むフランス人では、他の欧米諸国よりも心臓病による死亡率が低いのですが、これはポリフェノールの摂取が高血圧や動脈硬化の予防につながっているためだと考えられています。
ノンアルコール赤ワインに含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
ポリフェノール | 血管の老化を防ぎ、血液を流れやすくする |
血圧を下げたいなら赤ワインはノンアルコールで 赤ワインは血圧を下げるのに効果的ですが、心がけたいのは「ノンアルコール」のものを飲むということです。 なぜなら、アルコールの長期的な摂取は、血圧を上げることにつながるからです。 同時に、できるだけ甘味料が無添加のものを選ぶという点にも注意しましょう。糖分の摂り過ぎによる肥満や糖尿病も、血圧を上げてしまうからです。 |
1-3. コーヒー
コーヒーも、血圧を下げるのにとても役立つ飲み物です。
なぜならコーヒーは、身近な飲み物の中では赤ワインと同じくらいポリフェノールが多く、カリウムも豊富に含む飲み物だからです。
赤ワインと同様に、コーヒーに含まれるポリフェノールには血管の老化を防ぐ働きがあります。そのため血管が広がり、血液が流れやすくなって、血圧が下がりやすくなります。
コーヒーに含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
ポリフェノール | 血管の老化を防ぎ、血液を流れやすくする |
ただし、コーヒーを飲む上では以下2つの注意点があります。
・ブラックコーヒーにする(糖分の摂り過ぎを防ぐ)
・多くても1日3杯以下にする(カフェインの摂り過ぎを防ぐ)
糖分の摂り過ぎは肥満や糖尿病に、カフェインの摂り過ぎはアドレナリンの増加につながり、どちらも血圧を上げる要因になってしまいます。
コーヒーは健康によいという研究結果が多い ・心臓病・脳卒中・呼吸器疾患による死亡リスク低下 |
1-4. 緑茶
血圧を下げる身近な飲み物としては、緑茶もおすすめです。
緑茶にはカテキンというポリフェノールが豊富に含まれており、血管の老化を防いでくれるため、血管が広がり血液が流れやすくなって、血圧が下がります。
緑茶に含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
ポリフェノール | 血管の老化を防ぎ、血液を流れやすくする |
緑茶はさらに、抹茶・煎茶・玉露・番茶・ほうじ茶などに分類されますが、このうち特にカテキンが多いのは抹茶と煎茶です。
ペットボトルのものでも構わないので、日常的な水分補給として取り入れることをおすすめします。
ただし、緑茶にはコーヒーと同じくカフェインが含まれるため、飲み過ぎには注意が必要です。そもそもカフェインが少ない・または含まれないほうじ茶、麦茶などのほか、ノンカフェインの緑茶を活用すると、気兼ねなく飲めるでしょう。
緑茶は優秀な健康飲料 緑茶には血圧下げるというだけではなく、他にも多くの健康効果があるとされています。 ・抗ウイルス作用による風邪予防 |
1-5. ココア
ココアも、血圧を下げるという点では非常に優秀な飲み物です。
なぜならココアには、血圧を下げるのに役立つ栄養素がいくつも含まれているからです。
ココアに含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
カリウム | ナトリウムを体外へ排泄する |
マグネシウム カルシウム | 血管の収縮を防ぐ |
食物繊維 | ナトリウムを体外へ排泄する 動脈硬化を防ぐ |
ポリフェノール | 血管の老化を防ぎ、血液を流れやすくする |
GABA | 血管の収縮を防ぐ、睡眠を促す |
このようにココアは、血圧を下げるのに役立つ栄養素を一度にたくさん摂取できる飲み物なのです。
ココアが血圧によいということを不思議に思う方もいるかもしれませんが、ココアの原材料であるカカオやナッツといった種実類は、血圧を下げる栄養素がとても豊富なスーパーフードなのです。
注意点としては、砂糖が添加されていない「純(ピュア)ココア」を選びましょう。高血圧の原因になる肥満や糖尿病を予防するためです。
ココアを牛乳に溶かせばより血圧を下げる効果がアップ |
1-6. 豆乳
豆乳も、血圧を下げる飲み物として挙げられます。
豆乳にはミネラルと食物繊維が豊富に含まれています。さらには、血圧を下げるのに役立つミネラルのうち、カリウム・マグネシウム・カルシウムの全てがバランスよく含まれているのが特徴です。
豆乳に含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
カリウム | ナトリウムを体外へ排泄する |
マグネシウム カルシウム | 血管の収縮を防ぐ |
食物繊維 | ナトリウムを体外へ排泄する 動脈硬化を防ぐ |
イソフラボン | 女性ホルモンに似た作用(個人差あり) 骨粗しょう症、更年期症状を防ぐ |
豆乳の原料となる大豆をはじめとする豆類は、上記のようにとても優れた栄養素構成になっているため、血圧が高い人は積極的に摂取したい食品です。
豆乳を飲むときには、食塩や甘味料が添加されていない「無調整豆乳」を選んでください。
豆乳からはたんぱく質も摂取できる 大豆イソフラボンとエクオール |
1-7. 食酢飲料
酢を含む飲み物にも、血圧を下げる効果があります。
そのメカニズムには様々な研究結果がありますが、酢の主成分である酢酸が血圧の低下につながります。
酢に含まれる栄養素が血圧を下げる理由 | |
酢酸 | 血管を広げる 血圧を上げる酵素が作られるのを阻害する 血液量を増やすホルモンの分泌を阻害する など |
酢を毎日大さじ1杯強摂取することで、一定の効果が期待できるといわれています。
飲み方としては、食酢を他の飲み物に混ぜたり、りんご酢などの食酢飲料を摂取するという形になります。食酢飲料には甘味料が添加されている場合があるため、肥満や糖尿病の方は注意しましょう。
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2. 血圧を下げる飲み物【2つの条件】
次に、なぜ1章でご紹介した飲み物をおすすめするのかという理由について解説します。ご紹介した飲み物は、血圧を下げるために必要な以下2つの条件を満たしているのです。
それぞれの内容について、詳しく解説していきます。
1章のおさらいになる部分もありますが、より詳しく解説しています。そのため、読んでいただくと本質的な理解が進み、ご紹介した以外の飲み物についても「血圧によさそうかどうか」が判断しやすくなりますよ。
2-1. 食塩無添加である
血圧を下げる飲み物の条件としてまず外せないのは、食塩無添加であるということです。
「高血圧といえば減塩」は、もはや誰でも耳にしたことがあるでしょう。これは食事に限ったことではなく、飲み物を選ぶときにも欠かせないルールです。
塩分を摂り過ぎると、血液中のナトリウム濃度が高くなり、それを薄めるために血液量が増加することによって血圧が上がります。
血液中のナトリウム濃度を高めないために「減塩」が必要なのであり、日本高血圧学会は1日の塩分摂取量を6g未満にすることを推奨しています。
しかし実際には以下のように、多くの日本人は塩分を摂り過ぎています。
食塩摂取量の平均値 | |
・男性 10.9 g |
そこで大切になるのが、塩分の少ないものを選んで摂取するということです。そのために、食塩無添加の飲み物を選ぶのが基本的かつ重要なポイントになるのです。
日本高血圧学会などの働きかけにより、2020年から栄養成分表示に「食塩相当量」を記載することが義務化されました。食塩の多い少ないを手に取って判断できます。よく見て購入する、賢い消費者になりたいですね。
2-2. 血圧を下げるのに役立つ栄養素を含む
血圧を下げる飲み物の条件もう一点は、血圧を下げるのに役立つ栄養素を含んでいるということです。
血圧を下げるのに役立つ栄養成分として、その作用が証明されているのは、以下のようなものです。
・カリウム
・マグネシウム
・カルシウム
・食物繊維
・ポリフェノール
・GABA(γ-アミノ酪酸)
・酢酸
それぞれの栄養素について、なぜ血圧を下げるのかというメカニズムを解説します。
2-2-1. カリウム
カリウムには、ナトリウムを体外に排泄するという働きがあります。それによって血液中のナトリウム濃度が低下するため、血圧も下がるというわけです。
【注意】腎機能が低下している人はカリウム制限が必要 血圧が高い人にはカリウムを多く摂ることをおすすめしますが、注意が必要なのは、腎機能が低下している場合にはカリウムを摂り過ぎてはいけないということです。 本来、余分なカリウムは腎臓から排泄されますが、腎機能が低下しているとそれがうまく行えず、血液中にカリウムが溜まってしまうのです。この状態を高カリウム血症といい、危険な不整脈の原因になります。 そのため、以下のような人はカリウムの積極的な摂取を始める前に、医師に相談しましょう。 ・腎機能が低い・悪いと言われたことがある |
2-2-2. マグネシウム
マグネシウムには、血管を広げるという働きがあります。
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁を押す力(圧力)のことをいいます。血管が狭くなっていると、血液が流れにくくなるため、血圧が上がります。
例えば、ストローで風船を膨らませるときには、太いストローよりも細いストローの方が強く息を吹き込まないといけませんよね。そんなイメージです。
マグネシウムを摂取することで血管が広がると、スムーズに血液が流れるため、血圧が下がるというわけです。
2-2-3. カルシウム
カルシウムの不足は血圧を上げるため、しっかりと摂取する必要があります。
体内のカルシウムの大半は、骨に貯蔵されています。カルシウムが不足すると、体は骨からカルシウムを取り出し、各細胞に補給します。
そのため、カルシウムが不足すると血液中のカルシウム濃度が高くなります。このカルシウムは血管を収縮させるため、血圧が上がるのです。
2-2-4. 食物繊維
食物繊維にも、カリウムと同じくナトリウムを体外に排泄するという働きがあります。それによって血液中のナトリウム濃度が低下するため、血圧も下がるというわけです。
2-2-5. ポリフェノール
ポリフェノールには、血管をしなやかで血液が流れやすい状態に整えるという働きがあります。
血管が老化すると、硬く狭くなるため、血液が流れにくくなって血圧が上がります。ポリフェノールは強力な抗酸化作用によって血管の老化を防いでくれるため、血圧が下がるというわけです。
2-2-6. GABA(γ-アミノ酪酸)
GABAには、血管を広げるという働きがあります。
GABAは、血管を収縮させる神経伝達物質である「ノルアドレナリン」の分泌を抑えます。その結果、血管が広がり、スムーズに血液が流れるため、血圧が下がるというわけです。
2-2-7. 酢酸
酢の主成分である酢酸は、以下のような多様な働きによって血圧を下げるといわれています。
・血管を広げる
・血管を老化させる酸化ストレスを軽減する
・血圧を上げる酵素が作られるのを阻害する
・血液量を増やすホルモンの分泌を阻害する
3. 血圧を下げる栄養素を効率的に摂取できる飲み物レシピ
血圧を下げる栄養素をより効率的に摂取したいという方は、飲み物を手作りするのもおすすめです。
ここでは、以下のレシピをご紹介します。
◎アボカドとバナナのスムージー
◎ブルーベリージュース
◎豆カクテル
どのレシピもとても簡単なので、ぜひ試してみてください。
3-1. アボカドとバナナのスムージー
アボカドとバナナは、特にカリウムが多い果物です。また、豆乳や牛乳にはマグネシウム・カルシウムが豊富なので、血圧を下げるミネラルを一度にたくさん摂取できるレシピです。
材料(1人分) | |
アボカド:4分の1個 |
作り方 | |
①アボカドの種を取り、皮をむいて、小さく切る。 |
◆アボカドとバナナは切った状態で冷凍しておくと簡単に作れます。
3-2. ブルーベリージュース
ブルーベリーには、アントシアニンというポリフェノールが大量に含まれています。冷凍のブルーベリーでも構わないため、ジュースにすることで一定量を簡単に摂取できるレシピです。
材料(1人分) | |
ブルーベリー(冷凍OK):30g(20粒程度) |
作り方 | |
材料全てをミキサーにかける。 |
◆水を豆乳や牛乳に替えると、ミネラルや食物繊維も一緒に摂取できます。
3-3. 豆カクテル
豆類には、血圧を下げるのに役立つミネラルや食物繊維がバランスよく含まれています。
また、ゴマにはポリフェノール(セサミン)やリノール酸が含まれており、血管の老化や収縮を防いで血圧を下げてくれます。
豆カクテルは、これらの栄養素を一度に、かつとても簡単に摂取できるレシピです。
材料(1人分) | |
豆乳:150ml |
作り方 | |
材料全てを混ぜ合わせる。 |
4. 血圧を上げる!避けたい飲み物
一方で、血圧を上げてしまう飲み物も存在しますので、確認しておきましょう。
高血圧ケアのためには、血圧を下げる飲み物を積極的に摂取するのと同時に、血圧を上げる飲み物を避けることが大切です。
血圧を上げる飲み物には、以下のようなものがあります。
それぞれの内容について、解説していきます。
4-1. アルコール
血圧を下げるためには避けたい飲み物としてまず知っておいていただきたいのは、アルコールです。
アルコールを摂取すると、直後の血圧はいくらか低下します。しかし、長期的な飲酒習慣があると、その量や長さに比例して血圧は上昇するのです。
実際に、高血圧治療の柱には「節酒」が明確に位置づけられています。アルコールを飲む際には、適量を守り休肝日を設けることが欠かせません。
アルコールとうまく付き合う方法 血圧が高い場合には節酒が必要ですが、アルコールを全く飲めないというわけではありません。大切なのは、許容量を守るということです。 日本高血圧学会は、アルコールの許容量について以下のように定めています。 男性はエタノールで20~30ml/日以下 「エタノールで20~30ml」とは、例えば以下のような量になります。 ・ビール中瓶1本 また、最低でも週に2日は、アルコールを一切飲まない「休肝日」を設けましょう。 |
4-2. 塩分の多い汁物
味噌汁やスープなど、塩分の多い汁物も避けましょう。
塩分摂取量が増えると、血液中のナトリウム濃度が高くなるために血圧が上がります。
いくら一生懸命に血圧を下げる飲み物を飲んでも、高血圧ケアの鉄則である「減塩」を守れなくては意味がないのです。
日本高血圧学会が推奨する1日あたりの塩分摂取量は、6g未満です。
それに対して、主な汁物の塩分量は以下なので、一杯で相当な量の塩分を摂取してしまうことになります。
汁物 | 塩分量(1人前) |
コーンスープ | 1.5g |
コンソメスープ | 2.0g |
ラーメンの汁 | 3.0g |
塩分の多い汁物を飲まないようにできるのがベストですが、難しいようであれば以下のように工夫することをおすすめします。
・減塩タイプのものを選ぶ
・全て飲まずに半分程度残す
4-3. 甘いジュースやスポーツ飲料
甘いジュースやスポーツ飲料も、血圧を上げることがあります。
なぜなら糖分の摂り過ぎは、高血圧の危険因子である肥満や糖尿病につながるからです。
また、糖分を処理するために必要なインスリンというホルモンは、腎臓に働きかけてナトリウムを体にため込むように働くことも知られています。
また、スポーツ飲料には塩分が含まれているため、それによっても血圧が上がりやすくなります。
日常的に甘いジュースやスポーツ飲料を飲むという方は、たまの楽しみにシフトチェンジすることをおすすめします。
5. 血圧を下げる飲み物をうまく生活に取り入れる工夫
ここまでご紹介してきた飲み物は薬ではないので、飲んですぐに血圧が下がるということにはなりません。減塩や運動、節酒などの基本的な生活習慣を見直したうえで、付加的に飲むことを選択することで効果が期待できるものです。
そのため血圧を下げる飲み物は、「飲むならこれを選ぶこと」「生活の一部にすること」が大切になります。
この章では、血圧を下げる飲み物を毎日の生活にうまく取り入れるための工夫について解説します。
5-1. 基本的な水分補給は水かお茶に限定する
まず大切になるのは、基本的な水分補給は水かお茶に限定するということです。
これは、飲み物から極力塩分や糖分を摂らないようにするためです。
塩分は血液量を増やし、糖分は肥満や糖尿病につながることで、血圧を上げてしまいます。しかし、水かお茶であれば、そのどちらも心配する必要がないのです。
また、お茶にはポリフェノールやカリウムが豊富なため、血管の老化を防ぐという点でも血圧を下げる効果が期待できます。
お茶は好みのものでOK 血圧を下げるのに役立つポリフェノールは、お茶の中では緑茶に最も多く含まれています。 しかし、含有量は劣るものの、紅茶やウーロン茶にも含まれているため、好みのものを摂取して構わないでしょう。 好みに合わない飲み物が負担で継続できないよりも、無理なく日常的に飲める方が意義があるからです。 麦茶に含まれるポリフェノールは微量ですが、ノンカフェインなので気兼ねなく摂取できるというよさがあります。 |
5-2. 血圧を下げる飲み物を食事とセットで摂る
血圧を下げる飲み物を食事とセットにして、飲むことを習慣化してしまうのもおすすめです。
毎日の習慣になると、忘れずに継続することができるからです。また、「特別なことをわざわざやる」という負担感もなくなります。
元々「毎朝ヨーグルトを食べる」「夕食には必ずサラダをつける」などの習慣がある方は少なくないのではないでしょうか?
それと同じように、以下のような決まりごとを作ってしまえば、血圧を下げる飲み物が生活の中に定着してきます。
・朝食時に豆乳を飲む
・昼食に野菜ジュースを1本つける
・夕食と一緒にノンアルコールの赤ワインを飲む
5-3. 一息つくときはブラックコーヒーまたはピュアココアを飲む
一息つくために何か飲みたいというときは、ぜひブラックコーヒーかピュアココアを選びましょう。
血圧を下げるのに役立つ栄養素を豊富に含むコーヒー・ココアを、塩分・糖分無添加で飲むという、血圧にとっては最高の息抜き習慣になります。
コーヒーやココアなら、職場に常備しておくのも難しくありませんよね。
最初は味気ないと感じるかもしれませんが、人の味覚は塩分・糖分を減らすことに段々と慣れていきます。
これまで甘いコーヒー・ココアしか飲めなかったという方は、少しずつ砂糖やクリームを減らしてみることをおすすめします。
6. 高血圧ケアでは生活習慣全体を見直すことが大切
ここまでは血圧を下げる飲み物について解説してきました。血圧を下げるために飲み物に着目し、実際に具体策を探すという行動は、素晴らしいと思います。
ただ合わせてお伝えしたいのは、飲み物に気を配るだけでは高血圧ケアとして少し物足りないということです。
本気で血圧を下げたいのであれば、生活習慣全体を見直すことが大切なのです。
この章では、高血圧ケアにおける生活習慣改善の重要性とその内容について解説します。
6-1. 食事の基本は「減塩」
飲み物も含めた食事において、高血圧ケアの基本は「減塩」です。
「2-1. 食塩無添加である」で解説したように、塩分を摂り過ぎると血圧が上がります。それにもかかわらず、多くの日本人は推奨量よりも遥かに多い塩分を摂っているという現状があるのです。
世界中の多くの研究によって、減塩が血圧を下げることは証明されています。具体的には、1日の塩分摂取量を4g程度減らすと、最高(収縮期)血圧が3~5㎜Hg下がるといわれています。
「その程度の効果か」と感じるかもしれませんが、これが大切です。減塩というベースができていれば、運動や禁煙との複合効果が期待でき、より血圧が下がりやすくなるのです。
そのため、まずは食生活を見直して減塩に取り組むことが求められるというわけです。
血圧を下げるためにはDASH食も効果的 より効果的に血圧を下げたい場合には、減塩に加えてDASH食(ダッシュ食:Dietary Approaches to Stop Hypertension)を取り入れるのがおすすめです。 DASH食とはアメリカで研究された食事法で、血圧を下げる効果が証明されています。 DASH食では、カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維・たんばく質を増やし、飽和脂肪酸とコレステロールを減らします。 具体的には、野菜・果物・低脂肪の乳製品・魚・大豆製品・海藻を増やし、肉やコレステロールが多い食品を減らすことで実践できます。 |
6-2. 食事に加えて運動や禁煙も必要
高血圧ケアとしては、減塩の食事に加えて以下のような生活習慣改善も必要です。
・減量
・運動
・節酒
・禁煙
■減量
肥満度が増すにつれて高血圧の有病率が上がること・減量によって血圧が下がることがわかっています。
■運動
速歩きやステップ昇降などの有酸素運動によって、明らかに血圧が下がるといわれています。
■節酒
飲酒習慣は血圧を上げるため、適量を守ってそれを防ごうという考え方です。
■禁煙
喫煙は交感神経を刺激し、長期的には酸化ストレスや動脈硬化を促進することで血圧を上げます。脳血管疾患やがんの原因にもなるため、禁煙が欠かせません。
これらは単独でも一定の効果を発揮しますが、複合的な改善によって生活習慣全体を整えていくと、より効果的に血圧を下げることができるのです。
6-3. 生活習慣の改善だけでよいかどうかは医師に相談しよう
高血圧ケアにおいて生活習慣の改善はマストですが、それだけで血圧が下がるかどうかについては医師の判断が必要です。
まずは生活習慣の改善で様子をみてよいのか、すぐにでも薬を使う必要があるのかは、患者さん一人ひとりの状況によって異なるからです。
血圧が高くても、多くの人には自覚症状がありません。だからといって適切な治療を受けずにいると、高血圧が重症化し、合併症を起こす可能性もあります。
そのため、生活習慣の改善に取り組むのはもちろんですが、同時に自分に適した治療について医師に相談することをおすすめします。
7. 「便利」で「安心」な高血圧治療をお求めの方はぜひ一度ご相談ください
「高血圧治療について医師に相談してみたい」という方は、ぜひ高血圧イーメディカルをご利用ください。
高血圧イーメディカルは、高血圧に特化したオンライン診療サービスです。血圧を下げたいとお悩みの方に高血圧イーメディカルがピッタリな理由として、以下の3つがあります。
・最初に医師と無料でオンライン相談ができるので安心
・専用の血圧計の無償貸与があるのでスマホさえあれば血圧の計測ができる
・普段の血圧モニタリングに基づいて最適な治療を受けられる
7-1. 最初に医師と無料でオンライン相談ができるので安心
高血圧イーメディカルは、血圧でお悩みの方であれば誰でも医師に相談ができます。
ご自身の現状の血圧に対するアドバイスをもらい、正しいケアを始めましょう。
高血圧治療は「はやく始めること・続けること」がとても大切です。診察はスマホのビデオ通話で完了するため、治療を始めやすく、また継続もしやすくなっています。お薬が必要になった方には郵送でご自宅までお届けします。
7-2.専用の血圧計の無償貸与があるのでスマホさえあれば血圧の計測ができる
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7-3. 普段の血圧モニタリングに基づいて最適な治療を受けられる
高血圧イーメディカルでは、データ化されたあなたの普段の血圧をモニタリングします。その上で、普段の血圧に合わせた最適な治療を行うことができます。
通院や健診で血圧を測定したとき、普段よりも高くて驚いてしまうことがありますよね。普段と違う環境では、活動量や緊張などの影響で、自宅で測定する血圧とは異なる値が出ることがあります。その値に基づいて治療をしてしまうと、例えば薬の量が多すぎるなど、最適な治療にならない可能性もあるのです。
その点、高血圧イーメディカルであれば、専門家が普段の血圧をモニタリングするため、それに応じた治療をご提供できます。
オンライン診療と薬の配送なしでのご利用も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
8. まとめ
実は、飲めばすぐに血圧が下がるという薬のような飲み物はありません。ただし、以下のような飲み物を継続的に飲むことで、血圧が下がりやすくなります。
血圧を下げる飲み物とは、以下2つの条件を満たしている飲み物のことをいいます。
血圧を下げるのに役立つ栄養素を効率的に摂りたいのであれば、飲み物を手作りするのもおすすめです。
この記事では、簡単にできる以下3つのレシピをご紹介しました。
・アボカドとバナナのスムージー
・ブルーベリージュース
・豆カクテル
一方で、以下のような飲み物は血圧を上げてしまうため、避けるようにしましょう。
血圧を下げる飲み物は、「生活の一部」にして長期的に飲み続けることが大切です。そのために、以下のような工夫をすることをおすすめします。
高血圧ケアにおいては、飲み物に気を遣うだけではなく、生活習慣全体を改善することが欠かせません。
以下のような点にも注意していきましょう。
・減塩
・減量
・運動
・節酒
・禁煙
生活習慣改善は高血圧ケアの基本ではありますが、それだけで血圧が下がるかどうかについては医師の判断が必要です。そのため、どのように高血圧治療に取り組むべきか、まずは医師に相談することをおすすめします。
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出典:ひつじの珈琲タイム