「血圧が高い原因って何?」
「どうすれば血圧を下げられるの?」
健診で指摘されたり、普段の生活習慣が気がかりだったりして血圧が気になっている方が多いのではないでしょうか。20歳以上の日本人のうち、2人に1人は高血圧だといわれています。高血圧は決して珍しいものではありませんが、放置しておくと命に関わることもあるため注意が必要です。今回は、血圧が高い原因や改善方法について見ていきましょう。
1.血圧が高い主な原因
血圧はさまざまな要因によって高くなります。高血圧の多くは、原因が特定できない本態性高血圧と呼ばれるものです。一方で、原因が特定できるものは二次性高血圧と呼ばれています。ここでは、血圧が高い代表的な原因について見ていきましょう。
1-1.塩分の過剰摂取
日本人の高血圧は、塩分の過剰摂取が原因となっているケースがよくあります。塩分濃度を薄めようと水分が血液に集まってくるため、一度に押し出す血液量が増えて血圧が上がってしまうのです。
日本高血圧学会は高血圧を予防するために食塩の摂取量を一日6 g未満にするよう推奨しています。しかし、実際は一日に男性で10.9 g、女性で9.3 gも平均で摂取しているのが現状です。
1-2.運動不足
運動不足は血圧を上げやすくします。体に溜まっている余分な塩分を排泄する働きが不十分になるためです。運動不足は多くの慢性疾患の原因になることがわかっています。高血圧だけでなく糖尿病やうっ血性心不全、うつ病や乳がん、便秘などはすべて運動不足が絡むものです。
1-3.喫煙
タバコに含まれているニコチンは、血管を収縮する働きがあります。血管が収縮して血液の通り道が狭くなると、心臓はより強い力で血液を押し出さなければなりません。
1-4.アルコールの摂取
アルコールを慢性的に摂取していると、高血圧を発症しやすくなることがわかっています。なぜアルコールが血圧を上げるのか、具体的な原因についてはよくわかっていません。しかし、アルコールの摂取は脳卒中やがんの原因にもなります。
1-5.ストレス
ストレスがかかる生活を続けていると、次第に自律神経のバランスが崩れてきます。自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。交感神経は血圧を上げ、副交感神経は下げる働きがあります。ストレスがたまっていると交感神経の働きが優位になるため、血圧が上がりやすくなるのです。
1-6.遺伝
血圧の上がりやすさは遺伝します。生活習慣病の一つとして高血圧の名前が挙がることがありますが、実は生活習慣に関係なく血圧が高くなることもあるのです。両親が高血圧の場合、子どもは約50%の確率で高血圧になります。
1-7.加齢
人間は、誰しも年齢を重ねると血管の弾力性が低下していきます。血管が縮んだり緩んだりする働きが衰えるため、年齢とともに血圧は上がりやすくなっていくことが一般的です。
1-8.腎機能障害
腎機能障害とは、腎臓に炎症が見られる腎炎や、高血圧や糖尿病の影響で腎臓の働きが低下した状態のことを言います。腎臓は血液をろ過している臓器です。腎機能障害により、余分な水分や塩分の排泄がうまくいかなくなると、高血圧が引き起こされます。
1-9.原発性アルドステロン症
原発性アルドステロン症とは、アルドステロンというホルモンが過剰に分泌される病気のことです。アルドステロンは、副腎から分泌され水分や塩分の調整を行っています。過剰に分泌されると血液中の水分や塩分が増えるため、高血圧になりやすくなります。
1-10.甲状腺機能障害
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。逆に、甲状腺ホルモンが足りなくなる、甲状腺機能低下症(橋本病など)もあります。甲状腺機能亢進症では、心拍数が増加したり汗をかきやすくなったりするうえ、血圧上昇がみられることもあります。甲状腺機能低下症も血圧上昇の原因です。むくみなどを起こすことで、血圧が上昇するきっかけになります。
2.血圧が高いとどうなるの?
高血圧になっても、ほとんどの方は自覚症状がありません。痛くも痒くもないため、血圧が高いと指摘されても治療を始めない方がいるほどです。しかし、高血圧を放置しておくのはとても危険です。
2-1.高血圧の診断基準
まず、高血圧の診断基準について見ておきましょう。以下の基準を超えると、高血圧と診断されます。
診察室血圧 | 家庭血圧 |
140/90 mmHg以上 | 135/85 mmHg以上 |
ただし、血圧は変動するものです。基準値を一度超えたからといって高血圧と確定するわけではありません。日常生活の中で家庭血圧を一定期間測定し、高血圧かどうかを判断します。
2-2.高血圧は死亡リスクを高める
高血圧は、「ただ血圧が高い状態」では決してありません。血圧が高い状態が続くと、次のようなリスクが高まります。
- 動脈硬化
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 大動脈瘤
- 心不全
- 眼底出血
高血圧を完全に予防できれば年間に10万人もの方の命を救えるといわれているほど、高血圧は命と深い関わりがあるものです。静かに命をむしばんでいくため、サイレントキラーとも呼ばれています。
3.血圧が高いときに出る症状は?
高血圧になっても症状はほとんど出ません。人によっては頭痛やめまい、動悸や肩こりなどが起こるようです。ただし、これらの症状は高血圧以外でもよく見られます。症状だけで高血圧かどうかを判断することはできませんので、こまめに血圧を測る習慣を作ることが大切です。
4.血圧が高いときに取り組みたい5つのこと
血圧が高いと指摘されたら、まずは生活習慣の改善を行いましょう。
4-1.減塩を心がける
食塩の摂取量を一日6 g未満にすることで、血圧が下がることがわかっています。塩分量を控えるためにも、次のことを心がけましょう。
- 漬け物を控える
- 麺類のスープは飲み干さない
- 食材の味を生かして薄味で調理する
- 減塩調味料を使う
- 香辛料や香味野菜を活かして味付けをする
- 外食や加工食品を控える
4-2.定期的に運動をする
運動は収縮期血圧(上の血圧)を2~5 mmHg、拡張期血圧(下の血圧)を1~4 mmHg低下させる効果があるといわれています。1回10分以上の運動を一日に合計40分以上行うようにすると効果的です。
4-3.禁煙する
アメリカで行われた研究では、非喫煙者よりも喫煙者のほうが高血圧を発症しやすいことがわかっています。喫煙は血圧を上げるだけでなく、脳や心臓に直接影響を与えるため、早めに禁煙を始めましょう。
4-4.アルコールの摂取量を減らす
アルコールを長期的に飲むと血圧が上がります。逆に節酒することで血圧を下げることが可能です。男性は一日にビール中瓶1本以下、女性はビール中瓶1/2本以下を目安に飲酒量を減らしましょう。
4-5.ストレスを溜め込まない
ストレスを抱えた生活は、高血圧のリスクを2倍以上も高めます。ストレスを溜め込まないように日頃から運動を行ったり趣味の時間を確保したりなど、工夫をしましょう。
5.「血圧が高いかも?」と気になったら高血圧イーメディカル
「血圧が高いと言われたけど、どうしたらいいの?」
「何か生活習慣の改善をするべきなの?」
このような方におすすめなのが「高血圧イーメディカル」です。血圧が気になるあなたを徹底的にサポートします。
5-1.血圧を毎日測る習慣ができる
プランにご登録いただいた方には、オムロンの血圧計を無料で貸し出しています。専用のアプリと連動しており、計測した血圧は自動で高血圧イーメディカルの医師に共有される仕組みです。日々の変動を目で見て確認できるので、血圧をチェックする習慣がつきます。
5-2.血圧が異常値を示したらすぐに専門チームが対応
血圧の状態を見て、必要であれば専門チームがすぐに対応してくれるのも特徴です。必要に応じて薬の処方もしてもらえます。生活習慣の改善だけで大丈夫なのか、服薬が必要なのかを専門家がスピーディーに判断してくれるので安心です。
5-3.診察から薬の受け取りまで自宅で完結
高血圧イーメディカルは、診察から薬の受け取りまで自宅で完結します。オンラインで診察を受けた後は、必要に応じて自宅まで薬が郵送されるのです。「高血圧が気になるけど病院に行くのは面倒」「治療が必要なほど血圧が高いのかわからない」という方でも、高血圧イーメディカルなら手間をかけずに健康を維持できます。
6.まとめ
血圧が高い原因としては、主に次のものが挙げられます。
- 塩分の過剰摂取
- 運動不足
- 喫煙
- アルコールの摂取
- ストレス
- 遺伝
- 加齢
このほか、腎炎や原発性アルドステロン症などの疾患も原因となります。血圧が高い状態のままにしておくと、動脈硬化や脳卒中など命に関わる疾患のリスクを上げるため、早めに対策を行いましょう。
高血圧イーメディカルなら、日々の血圧をチェックしながら医師のアドバイスを受けたり不安なことを相談したりできます。未来のあなたの健康を守るためにも、高血圧イーメディカルで血圧管理を始めてみませんか?