「LDLコレステロールの基準値はどれくらいなの?」
「基準値よりLDLコレステロールが高いとどのような影響が出るの?」
LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールとも呼ばれており、増えすぎると健康に害を与えるものとして知られています。健康診断で「コレステロールが高めですね」と言われ、LDLの基準値がどれくらいなら正常なのか気になっている方が多いのではないでしょうか。
基準値より高いことによる健康への影響も気になるところです。そこで今回は、LDLコレステロールの基準値や値が高いときの影響などについて詳しく解説します。
目次
1.LDLコレステロールの基準値は?
LDLコレステロールは、増えすぎると体にさまざまな影響をもたらすため、基準値が設けられています。値が基準値を超えている場合は、正常範囲内に戻せるよう生活習慣の見直しや薬による治療が必要です。
1-1.LDLコレステロールの基準値
一口に基準値といっても、2つの表現があることを知っていますか?
それは、基準範囲と臨床的判断値です。
〈基準範囲〉
持病がない、現時点で健康と考えられる方々の95%が収まる値の範囲を言います。「基準範囲」はその分布幅を示すデータであり、病気の診断やリスクの評価、さらには治療の目標として用いられるものではありません。
人間ドック学会と健保連が2014年に公表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」では、LDLコレステロールの基準範囲は男性で72 mg/dl~178 mg/dlとされました。これにより、一部の週刊誌などが、LDLコレステロールは178 mg/dlでもよい、収縮期血圧も147 mmHgでよいなどと報道し、今でも似たような言説が取りざたされています。
しかし、この範囲に収まっていれば将来的に健康でいられるとは限りません。現時点では健康と考えられる人の95%がこの範囲に値を示したというだけであり、LDLコレステロールが178 mg/dlの方が、明日、心筋梗塞を起こせば、この値が安全とは言えなくなります。
〈臨床的判断値〉
臨床的判断値とは、将来、病気にかからないためには、このぐらいの値であるべきだという数値です。これがすなわち、診断基準であり、治療目標となります。
日本動脈硬化学会は、「140 mg/dl以上」を、治療が必要だと考慮される高LDLコレステロール血症の状態だと定めています。LDLコレステロール140 mg/dl以上になると、動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞にかかりやすくなるのです。
一方で、治療目標は人によって異なっています。動脈硬化のリスクが低い人は160 mg/dlや140 mg/dlでもよいのですが、タバコを吸うようなリスクの高い人は、LDLコレステロールを120 mg/dl未満にすること、すでに心筋梗塞を起こされたような方ではその再発を防ぐため、70 g/dl未満にすることが推奨されます。
一口に「基準値」といっても、様々な考え方に基づいた数値があり、健康を維持する目的においては、「臨床的判断値」「診断基準」「治療目標」を目安に考える必要があることを覚えておきましょう。
1-2.そもそもLDLコレステロールって何?
LDLコレステロールとは、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ働きがあるコレステロールのことです。コレステロールの運び屋として機能しており、悪玉コレステロールとも呼ばれます。LDLコレステロールが増えすぎると、血管壁に蓄積して動脈硬化を起こすため、値が基準値内におさまるように日頃から気をつけておくことが大切です。
2.LDLコレステロールが基準値より高いと起こること
LDLコレステロールが基準値より高くなると、血液中にLDLコレステロールが多くある状態になります。LDLコレステロールはやがて血管壁に溜まり、動脈硬化を起こすため注意が必要です。動脈硬化が起きると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの疾患リスクが上がります。これらの動脈硬化性疾患は命に関わることもあるものです。
「コレステロールが高めですね」と言われたまま放置していると、ある日突然、大きな疾患を抱えてしまうことになる可能性があります。LDLコレステロールの値が高くてもとくに自覚症状がなく、「まだ治療はしなくて大丈夫だろう」と考える方が少なくありません。
しかし、値が基準値より高い場合は確実に体にダメージが蓄積されていますので、できるだけ早く対処する必要があります。
3.LDLコレステロールが高くなる原因
LDLコレステロールが高くなる原因には、いくつかあります。脂質異常症は生活習慣病の一つとして知られていますが、必ずしも生活習慣によってLDLコレステロールが高くなるわけではありません。なかには遺伝の影響で値が高くなりやすい方もいます。
3-1.糖質や脂質を多く摂取している
LDLコレステロールは、糖質や脂質の多い食事をしていると値が高くなりやすいと言われています。とくに、質の悪い脂質には注意したいものです。血液中のコレステロールは、肝臓で合成されたものが約70~80%、食事から摂取したものが約20~30%を占めています。
LDLコレステロールを増やす原因となりやすいのが、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸です。飽和脂肪酸は脂身やラード、トランス脂肪酸はバターやマーガリンなどに含まれています。これらの脂質を摂り過ぎるとLDLコレステロールが高くなることがあるので摂取量に気をつけましょう。
3-2.コレステロールを多く含む食事を摂取している
LDLコレステロールは、食事にも含まれています。LDLコレステロールを多く含む食事を摂り過ぎると、基準値を超えてしまう恐れがあるので注意しましょう。次の食品はコレステロールを多く含んでいますので、摂り過ぎないように気をつけてください。
食品名 | 100gあたりのコレステロールの量 |
卵黄(生) | 1,500 mg |
するめ | 980 mg |
かたくちいわし(田作り) | 720 mg |
さくらえび(煮干し) | 700 mg |
あんこう(きも/生) | 560 mg |
3-3.運動量が不足している
運動不足もLDLコレステロールが上昇する原因です。体を動かさないと、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの量が増えず、体内に余分なコレステロールが溜まりやすくなります。
LDLコレステロールを基準値に近づけるためには、毎日合計30分以上の運動を行うことが推奨されています。
3-4.遺伝の影響
遺伝の影響でLDLコレステロールが基準値を超えやすくなっている方も珍しくありません。体質によってLDLコレステロールを合成する量や吸収量に個人差が現れるのです。
親が脂質異常症の場合は子どもにも遺伝しやすくなります。生活習慣に関係なくLDLコレステロールが高くなりやすいため、値に気をつけながら生活しましょう。
4.LDLコレステロールを下げるために心がけたいこと
LDLコレステロールが基準値を超えた状態で放置しておくと、動脈硬化を起こして命に関わる病気を発症することがあります。そういった事態を防ぐためにも、LDLコレステロールを下げるための行動を心がけることが大切です。
4-1魚や大豆を積極的に摂る
LDLコレステロールを下げるためには、動物性の肉を減らし、魚や大豆を増やしましょう。魚に含まれているDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、脂の一種ではあるもののLDLコレステロールを増やすことがありません。
また、中性脂肪を下げる働きがあることも特徴です。一方で大豆は、食物繊維を豊富に含むことからLDLコレステロールを下げる働きをもちます。
4-2.コレステロールが多く含まれる食事を減らす
LDLコレステロールの値は、肝臓で作られたコレステロールと食事から摂取したコレステロールの影響を受けます。当然、コレステロールが多い食事ばかりを摂っているとLDLコレステロールが基準値を超えやすくなるため注意しましょう。
4-3.適度な運動を行う
LDLコレステロールを下げるためには、適切な運動が欠かせません。厚生労働省では、中強度以上の有酸素運動を中心に毎日30分以上、体を動かすことを推奨しています。「少しきつい」と感じる程度の運動が最適です。運動は1回で30分以上続けて行う必要はありません。合計で30分を超えていればOKです。
5.コレステロールは、薬を使って下げるべき?
LDLコレステロールが基準値を超えているからといって、必ずしも薬を使う必要はありません。まずはなぜLDLコレステロールの値が高くなっているのか原因を探り、生活習慣や食生活の見直しを行います。そのうえで、薬が必要だと判断された場合は薬物治療を行うというケースが多いでしょう。
6.コレステロールが気になるなら「高血圧イーメディカル」を活用しよう
高血圧イーメディカルでは、高血圧のみだけでなく脂質異常症の治療やアドバイスも行っています。LDLコレステロールが基準値より高くなって不安な方、何をしたら良いのかわからず困っている方はぜひ高血圧イーメディカルにご相談ください。
6-2.脂質異常症の専門医が在籍
高血圧イーメディカルには、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医の資格をもつ医師が在籍しています。そのため、脂質異常症に関しても的確な治療やアドバイスが可能です。
専門医だからこそ、小さな変化を見逃すことなくしっかりモニタリングしながらLDLコレステロールのコントロールを続けることができます。
6-3.オンライン診療なので家から出なくて良い
高血圧イーメディカルは、診察から薬の受け取りまですべてオンライン上で完結します。LDLコレステロールの治療を受けるために足を運んで通院する必要はもうありません。薬を処方してもらうまで待つ時間も必要ないのです。
また、気になることがあればいつでもチャットで医師に相談できます。オンラインだからこその手厚いサポートをご用意しています。
7.まとめ
LDLコレステロールの基準値には大きくわけて2つあります。日本人間ドック学会では60~119 mg/dL、日本動脈硬化学会では140 mg/dL以上を脂質異常症としているため、139 mg/dL以下なら基準値内です。基準値を超えた状態が長く続くと、動脈硬化が起こって心筋梗塞や脳梗塞などを招くことがあるので注意しましょう。
「LDLコレステロールが高めと言われたけど、何をしたら良いかわからない」という方は、高血圧イーメディカルにご相談ください。専門医があなたの状態をしっかり観察し、適切なサポートを行います。