なぜ高血圧は動脈硬化を引き起こす?心臓や脳、腎臓への影響を解説

監修者

【監修】谷田部 淳一

チーフメディカルディレクター・ 医師・医学博士

「高血圧が動脈硬化を引き起こすのはなぜ?」
「体にはどのような影響がある?」
「高血圧以外で動脈硬化を進行させる病気は?」

高血圧による持続的な強い圧力は、血管に負担を与えて弾力性を失わせていきます。この動脈硬化は、体のあらゆる箇所で進行してしまい、重大な合併症を引き起こすリスクを高めるため注意が必要です。

本記事では、高血圧が動脈硬化を引き起こす理由をはじめとして、以下を解説します。

● 各臓器への影響
● 動脈硬化を引き起こすそのほかの病気
● 高血圧と動脈硬化の症状
● 検査方法や治療法、予防法

脳や心臓、腎臓、大血管など体の各部位に、どのような影響を与えるのかを詳しく解説しています。高血圧と動脈硬化が、体にどのような健康被害を与えるのか具体的に知りたい方は参考にしてください。

1.なぜ高血圧は動脈硬化を引き起こす?各臓器への影響を解説

高血圧により血管に持続的な強い圧力がかかると、血管が硬くなり弾力性が失われていきます。また、血管の内側にプラーク(脂肪の塊のようなもの)が付着すると、血管が硬く狭くなっていきます。

これらの動脈硬化が進行すると、以下のように人間の主要な臓器に影響が現れ始めてしまうのです。

臓器高血圧が与える影響
脳脳の血管がもろくなり破れやすくなる
心臓重要な血管が詰まりやすくなる
腎臓腎臓の血管の血流が悪くなる
大血管人体の最も太い血管に瘤ができたり裂けたりするリスクが高まる

それぞれについて詳しく解説します。

【関連記事】

高血圧によりリスクが高まる病気(合併症)とは?放置してはならない理由も

1-1.脳|脳の血管がもろくなり破れやすくなる 

高血圧により動脈硬化が進行すると、脳の血管に以下のようなことが起きます。

● 脳血管が厚く硬くなり詰まりやすくなる
● 脳血管がもろくなり破れやすくなる

その結果、以下のような脳の病気を引き起こすリスクが高まります。

脳の病気

特徴

脳梗塞

脳の血管が詰まることで血液が脳に届かなくなり脳細胞が壊れる

脳出血

脳の血管が破れて出血し、脳細胞が壊れる

脳梗塞や脳出血を発症すると「片方の手足や顔がしびれる・動かない」「呂律が回らない」「体のバランスがとれない」などの症状が現れます。このような症状が現れた際は、速やかに救急車を要請してください。

特に、脳梗塞は初期対応の違いによって、後遺症を残すかどうかに大きな違いがあります。症状が現れてから4時間半以内であれば、血栓溶解療法(詰まった血栓を溶かす治療)を受けることができます。ついさっきまでできていたことができなくなり(歩けない・話せないなど)、脳梗塞の不安があるときには躊躇なく救急車を呼ぶことが肝要です。

1-2.心臓|重要な血管が詰まりやすくなる

高血圧により動脈硬化が進行すると、以下のような心臓の病気のリスクを高めます。

心臓の病気

特徴

心筋梗塞

・冠動脈(かんどうみゃく:心臓に酸素や栄養を送る血管)が詰まりに心臓の筋肉が壊れていく病気
・心臓の筋肉が破壊されるため危険な状態になる

狭心症

・冠動脈が狭くなり心臓への血流が悪くなる病気
・心臓の血流が不足しているため動作時に胸の痛みなどの症状が現れる

心不全

・心臓の血液を送り出すポンプ機能が低下する病気
・初期症状はほとんどないが進行すると動作時の息切れやむくみなどが現れる

歩行時や階段などを登った際に、締め付けられるような胸の痛みや息切れが現れる方は、なんらかの心臓の病気が起きているおそれがあります。医療機関の受診を検討してください。

【関連記事】

なぜ高血圧は心筋梗塞のリスクを高める?見逃してはならない症状を医師が解説 

なぜ高血圧が狭心症の原因に?放置してはならない理由や治療方法を解説

なぜ高血圧は心不全の原因に?疑われる症状と3つの予防法を医師が解説 

1-3.腎臓|腎臓の血管の血流が悪くなる 

腎臓には、血液の老廃物をろ過して不要なものを尿にするための「糸球体」(しきゅうたい)が存在します。糸球体は細かい血管の塊であり、高血圧を発症していると糸球体が動脈硬化により徐々に破壊されていきます。この状態を腎硬化症と言い、やがて老廃物の排出が困難になり、健康に悪影響を及ぼす「腎不全」に至ります。

腎硬化症を発症していても自覚症状はありません。尿検査でも異常がないことが多いです。採血により腎臓の機能を調べる必要があります。

また、腎動脈という腎臓に血液を送る血管が動脈硬化で狭窄することもあります。腎動脈の動脈硬化は、腎血管性高血圧症の原因となり、血圧のコントロールがますます悪くなることにつながるため注意が必要です。

1-4.大動脈|人体の最も太い血管に瘤ができたり裂けたりするリスクが高まる

高血圧や動脈硬化は、人体の最も太い血管である大動脈に以下のような病気を引き起こすおそれがあります。

大血管の病気

特徴

大動脈瘤
(だいどうみゃくりゅう)

・大動脈の一部がコブのように膨らんでしまう病気
・初期症状はほとんど現れず破裂が差し迫ってくると息苦しさや胸の痛みなどが現れる

大動脈解離
(だいどうみゃくかいり)

・なんらかの原因で大動脈が裂けてしまう病気
・多くの場合に前触れもなく胸の激痛が現れる

大動脈解離は、発症後48時間以内に治療をしないと亡くなってしまうおそれがあります。胸または背中に急な痛みを感じ、冷や汗を伴うほど命の危険を感じる痛みが生じたときには、すぐに医療機関を受診しましょう。

発症リスクを減らすために、高血圧や動脈硬化だけでなく、脂質異常症、糖尿病、喫煙習慣などの改善が重要です。特に、大動脈解離は喫煙者に多く発症することが知られており、肺がんなどのリスクを減らすためにも、禁煙を目指しましょう。

出典:国立循環器病研究センター 大動脈瘤と大動脈解離

2.高血圧以外に動脈硬化を進行させる病気とその機序

高血圧意外にも以下のような病気は、動脈硬化を進行させます。

● 糖尿病
● 脂質異常症
● 高尿酸血症

それぞれの病気について詳しく解説します。

2-1.糖尿病

糖尿病とは、血糖値を下げるインスリンが十分に働かず、血液中の糖が高い状態が長期間続いてしまう病気です。糖尿病は、動脈硬化の原因となる活性酵素の働きを促進させてしまいます。その結果、血管の炎症が促進されて、血管壁の働きが低下してしまい動脈硬化が進行します。

糖尿病は治療しないまま放置すると、前述した脳や心臓、腎臓の病気だけでなく、失明や足の切断などのリスクが高まります。検診で「血糖値が高い」と指摘された方は、早期に治療を受けましょう。

2-2.脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪が多い、または善玉コレステロール(HDLコレステロール)が少ない状態です。

脂質異常症を発症していると以下のような理由で動脈硬化が進行します。

● 悪玉コレステロールが多いと血管壁にプラークが付着して動脈硬化が進行する
● 中性脂肪が多いと悪玉コレステロールの酸化を助長させ動脈硬化が進行する
● 善玉コレステロールの量が少ないと、血液中にたまった余分なコレステロールを肝臓に戻す働きが低下する

とくに悪玉コレステロールは、単独でも強力に動脈硬化を進行させるため注意が必要です。検診などで「悪玉コレステロールや中性脂肪が高め」と指摘された方は、早期に治療を始めてください。

2-3.高尿酸血症

高尿酸血症とは、血液中に尿酸が多い状態で、放置すると体のさまざまな部位に尿酸の結晶が沈着してしまいます。代表的な合併症は、足の関節など(特に親指の付け根)に激痛が走る痛風発作です。

近年では、痛風は動脈硬化を進行させることが明らかになってきています。尿酸の結晶が沈着している部位は、炎症が起きやすくなるため動脈硬化も進行すると考えられています。

動脈硬化の進行を抑えるには、高血圧だけでなく糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症なども並行して治療を進めることが重要です。

3.高血圧と動脈硬化の症状

高血圧は初期症状が現れないことがほとんどです。

動脈硬化がある程度進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

● 早朝の頭痛
● 夜間の頻尿
● 息苦しさ
● めまい
● ふらつき
● 足の冷え

これらの症状が現れているころには、臓器が痛み始めているということです。そのため、高血圧の合併症を予防するには、症状が現れていない早期の段階から治療を始めることが重要です。

4.高血圧による動脈硬化の検査方法

高血圧による動脈硬化を評価する際は、以下のような精密検査を行う必要があります。

検査項目

詳細

胸部レントゲン 心不全や心肥大(心臓が厚くなること)の有無を調べる
心エコー 心肥大や心臓の機能の状態を調べる
心電図心肥大や不整脈の有無、心臓の血流不足の有無を調べる
血液検査糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症の有無や腎臓の機能を調べる
尿検査腎臓への負担や腎臓の病気の有無を調べる

そのほかに、全身の動脈の柔軟性を評価する検査や、動脈の状態を調べるための血管エコー検査、MRI検査、造影MRI検査などを行うことがあります。

5.高血圧による動脈硬化の治療法

高血圧は生活習慣が大きく影響しているため、まずは生活習慣の改善を試みる必要があります。血圧が目標値まで達成できない場合や合併症のリスクが高い場合は、薬物療法を検討します。

血圧を下げる薬の種類は以下の通りです。

降圧薬

効果

カルシウム拮抗薬血管を広げて血圧を下げる
ARB、ACE阻害薬血管を収縮させるホルモンの作用を抑制して血圧を下げる
β遮断薬心拍数を減らし心臓の収縮性を整えて血圧を下げる
利尿薬尿から余分な水分(血液)や塩分を排泄して血圧を下げる

患者さんの血圧値や病状、そのほかの病気の有無などを考慮して最適な薬を選択します。

6.高血圧による動脈硬化の予防法

高血圧による動脈硬化の予防法は、以下のようなものが挙げられます。

● 医療機関を受診する
● 生活習慣を改善する
● 降圧薬の服用を始める(オンライン診療の利用を検討する)

それぞれについて詳しく解説します。

6-1.医療機関を受診する

検診などで「血圧が高い」と指摘された場合は、早期に医療機関を受診して血圧管理を始めることが重要です。動脈硬化は初期症状がほとんど現れることはありません。ある程度進行して臓器が痛み始めたら症状が現れます。「症状が出ていないから大丈夫」というわけではありません。

一般的な血圧の目標値は「診察室血圧130/80mmHg未満」です。しかし、病状により目標とする血圧値は異なるため、医師の指示に従い血圧を管理してください。

6-2.生活習慣を改善する

高血圧は生活習慣が大きく影響します。

以下のような生活習慣の改善が重要です。

実施すべき項目

詳細

 減塩

1日の食塩摂取量を6g未満にする

 肥満の改善

BMI(体格指数)25未満を目指す

 食生活の改善

肉類(特に脂身)や揚げ物などを避けて、野菜や果物、魚類を積極的に摂取する

 運動

ウォーキングなどの有酸素運動を毎日30分以上、または週に180分以上行う。筋トレなどのレジスタント運動も効果的

 節酒

1日のアルコール量を男性は20〜30mL以下、女性は10〜20mL以下にする

 禁煙

禁煙をして、受動喫煙も避ける

 その他

寒い時期はしっかり防寒をして、ストレスもためないようにする

6-3.降圧薬の服用を始める(オンライン診療の利用を検討する)

必要に応じて降圧薬の服用を始めることは重要です。「通院する時間がない」という方は、オンライン診療の選択肢もあります。オンライン診療であれば、自宅にいながら医師の診察を受け、適切な薬を処方してもらうことが可能です。

ただし、オンライン診療はかかりつけの医師であることが原則です。

かかりつけの医師がいない場合は、以下の条件を満たさなければなりません。

● 過去の診療記録、診療情報提供書、健康診断の結果、お薬手帳などから患者さんの情報を十分に得ている
● オンラインで事前に診療前相談を行い、オンライン診療が可能であると医師と患者さん双方合意している

オンライン診療後、オンライン診療が望ましくない病状と判断された場合は、対面の診療を推奨します。その際に、かかりつけの医師がいない場合は、対面の診療が可能な近隣の医療機関を紹介することがあります。

【関連記事】

オンライン診療とは|患者側のメリットや押さえておくべき注意点を医師が解説

7.オンライン診療で血圧を管理するなら「高血圧イーメディカル」

「検診で高血圧を指摘されたけど、通院する時間がない」という方は、当社が提供しているオンライン診療「高血圧イーメディカル」にご相談してください。イーメディカルには、以下のような特徴があります。

● 健康保険が適用される
● 自宅まで薬を郵送してくれる
● チャットでいつでも医療チームに相談できる

それぞれの詳細を解説します。

7-1.健康保険が適用される

イーメディカルのオンライン診療では、初診から健康保険が適用されます。診療代と薬代が保険適用であるため、対面の診療とほとんど同じ料金で受診できます。また、スマートフォンやパソコンで診察を受けられるため通院や待ち時間のストレスがありません。

7-2.自宅まで薬を郵送してくれる

処方された薬は、自宅に郵送してくれるサービスがあるため通院の手間を省けます。薬局に行く手間や待ち時間もなく、診察から処方までオンラインで完結できます。ただし、別途薬の郵送費がかかるため注意してください。

7-3.チャットでいつでも医療チームに相談できる

イーメディカルでは、医師や看護師で構成された医療チームが継続サポートします。入会後は医療チームにチャットで、血圧の管理や体調について気になることをいつでも相談できます。

8.高血圧と動脈硬化に関するよくある質問

ここでは、高血圧と動脈硬化に関する以下のよくある質問について解説します。

● 高血圧と動脈硬化はどっちが先に起きる?
● 「降圧薬は飲むな」という声があるのはなぜ?

それぞれについて詳しく解説します。

8-1.高血圧と動脈硬化はどっちが先に起きる?

高血圧と動脈硬化はどっちが先に起こるかは一概に言えません。高血圧をはじめとする糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は相互に影響し合っているためです。

8-2.「降圧薬は飲むな」という声があるのはなぜ?

「降圧薬は飲むな」という声があるのは「服用を始めたらやめられないのでは?」という不安や副作用の懸念からであると考えられます。降圧薬は高血圧の原因となっている生活習慣を改善して、血圧管理ができれば服用をやめることもできます。

しかし、動脈硬化が進行した重症高血圧の場合、薬に頼らざるを得なくなるため、薬をやめたいという希望がある場合、早期の段階(収縮期血圧で140-150 mmHg程度のうちに)で医師に相談するようにしましょう。

過剰な降圧薬投与により血圧が下がりすぎ、めまいや立ち眩みを経験することで服薬を避けるようになる方もいます。過降圧を防ぐには、普段の血圧をしっかり測定して、定期的な診察を受けることが大切です。

【関連記事】

降圧薬(高血圧の薬)の種類と効果とは|良い点、悪い点をまとめて医師が解説

9.早期に高血圧の改善に取り組み動脈硬化の進行を抑えよう

高血圧を放置すると、血管の弾力性が失われていき動脈硬化が進行します。動脈硬化は、体のあらゆる部位に起きます。脳や心臓、腎臓など主要な臓器で動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞、腎不全などを引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。

これらを予防するために、高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などを早期の段階から治療し始めてください。また定期的な健康診断や生活習慣の見直しも重要です。

「通院する時間がない」という方は、オンライン診療も選択肢の1つです。当社が提供しているオンライン診療「高血圧イーメディカル」では、高血圧だけでなく脂質異常症にも対応しています。ご相談だけでも一度お気軽にご連絡してください。

高血圧イーメディカルは、高血圧に特化したオンライン
診療サービスです。
あなたの血圧データを見守り、
医師が診断、薬は自宅へお届けします。

オンライン
診療
で
通院不要※1

画像

血圧を専門家が
見守り、
アドバイス

画像

薬は
ご自宅
まで
郵送※2

画像

保険適用で
初診から
オンラインで
受診可能※3

画像

血圧計が無料

入会で血圧計を無料貸与
12ヶ月以上ご利用の場合、
返却の必要はありません。

つまり…

高血圧治療に、
新しい「便利」と「安心」が
得られます。

まずは、無料相談。
最短翌日(6〜23時の空き枠から)
相談・診療可

医師があなたに合った高血圧ケアをアドバイス

※1医師の判断により、オンライン診療を行えない場合もあります。

※2アムロジピン(アムロジン、ノルバスク)、ニフェジピン(アダラートCR)、配合剤(例:アムバロ、テラムロ、カムシア、イルアミクス)など

※3金額の詳細はこちら。

まずは、無料相談。
最短翌日(6〜23時の空き枠から)相談・診療可