「50代の血圧の正常値はいくつなの?」
「高血圧を治すにはどうしたらいいの?」
このような疑問を抱えていませんか?20歳以上の日本人のうち、2人に1人は高血圧だといわれています。ご自分の血圧が正常なのか、高血圧だった場合どのような取り組みを行えばよいのか気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、50代の血圧の正常値や高血圧を改善する方法を紹介します。なぜ高血圧が問題となるのかについても解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
目次
1.50代の血圧の正常値とは?
年齢を重ねるにつれて血管の弾力性が低下するため、血圧は上がりやすくなります。
また、年齢が高くなるほど塩分への感受性が高くなることもあり、日頃から塩分の摂取量が多い方は高血圧になりやすいことが特徴です。
1-1.そもそも血圧に「正常値」は存在しない
「50代の血圧の正常値はいくつ?」と気にする方が多いように、20代や30代、40代でも「正常値はどれくらい?」と疑問に思う方が大勢います。しかし、じつは「正常値」という言葉も正確な表現ではありません。正常値の代わりに、医療者は「基準範囲」を参考に臨床的判断を行います。
1-2.高血圧の診断基準
血圧は、30代や40代、50代であっても診断基準は同じです。日本高血圧学会では、診察室血圧が140/90 mmHg以上、家庭血圧が135/85 mmHg以上の場合を高血圧としています。ただし、1回でもこの基準を超えたら高血圧と診断されるわけではありません。日をあけて何度か計測した血圧が上記の基準を超えていた場合、高血圧と診断されます。
| 診察室血圧 | 家庭血圧 |
高血圧の診断基準 | 140/90 mmHg以上 | 135/85 mmHg |
2.高血圧によってリスクが高まる病気
人によっては頭痛やめまい、肩こりなどが起こることがありますが、基本的に高血圧になっても自覚症状はありません。そのため、血圧が高いと指摘されても「症状がないのに治療する意味がわからない」と感じる方もいるでしょう。
しかし高血圧は、放置しておくことで命に関わる疾患のリスクを上げてしまいます。指摘を受けたら、自分の命を守るためにも必ず治療を受けましょう。
2-1.動脈硬化
動脈硬化とは、血管の弾力性が少なくなり詰まりやすくなる状態のことです。高血圧の状態が続くと、血管は常に緊張した状態になるため、次第に分厚く固くなっていきます。
動脈硬化を起こすと心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクが高まることに注意が必要です。また、心臓に大きな負担がかかるため心肥大や心不全になることもあります。
2-2.心筋梗塞
心筋梗塞とは、心臓の血管が完全に詰まり血流が途絶えることです。「火箸で刺されたような痛み」「胸をえぐられるような痛み」と例えられることがあるほど、激しい痛みを伴います。血流が止まってから20分もすると、心筋細胞の壊死が始まるため早急な対応が必要です。
3.低血圧が引き起こす症状
なかには血圧が通常より低いことで悩まれている方もいます。低血圧の明確な診断基準はありませんが、WHOの基準を参考に100/60 mmHg以下の場合を低血圧とすることが一般的です。低血圧であっても症状がなければ問題ありません。
しかし、低血圧の症状として、立ちくらみやめまい、頭痛や倦怠感などが見られることもあります。高血圧のように命に関わるものではありませんが、低血圧でお悩みの方は内科や循環器内科などで相談してみてください。
4.高血圧を改善するために取り組みたいこと
血圧が高いと指摘された場合、血圧の値や合併症の有無にもよりますがすぐに薬を使った治療が行なわれるわけではありません。まずは生活習慣の見直しを行い、それでも血圧が改善されない場合は薬物療法の開始が検討されます。
そのため、まずは生活習慣を改めるところから始めることが大切です。
4-1.食生活の見直しをする
食塩の過剰摂取は血圧上昇に大きく関係しています。血液中の塩分濃度が濃くなると、浸透圧の影響で血管内の水分が増えて心臓が押し出す血液の量が増え、血圧が上がってしまうのです。血圧を下げるためには、一日の塩分摂取量を6 g以下にすることが推奨されています。しかし、令和元年に厚生労働省により行われた「国民健康・栄養調査」によると、男性は一日に平均10.9 g、女性は平均9.3 gも塩分を摂取していました。塩分量を減らすためには、次のことを心がけましょう。
- 麺類の汁は残す
- 漬け物を控える
- 味噌汁は具だくさんにして汁の量を減らす
- 減塩調味料を活用する
- 香辛料や香味野菜を使って塩分の使用量を減らす
4-2.睡眠を充分に取る
睡眠不足も高血圧に影響があるといわれています。睡眠障害は交感神経の働きを活性化させるため、血圧が上がりやすくなってしまうのです。
- 適度な運動を行う
- 就寝の2~3時間前に入浴する
- 寝る前に強い光を浴びない
- 寝る前に食事をしない
これらのことに気をつけることで、質のよい睡眠を取りやすくなります。
4-3.適度な運動をする
有酸素運動には血圧を下げる働きがあります。大きく血圧を下げることはできませんが、運動後は約22時間ほど持続して血圧が普段より下がった状態になるのです。そのため、運動は継続して行うことが重要になります。
一日に合計で40分以上の運動をすることが推奨されていますので、まずは無理のない範囲で行なってみましょう。有酸素運動に加えて、レジスタンス運動やストレッチ運動も加えるとより効果的です。
4-4.ストレスを溜めない
ストレスは溜め込まず、こまめに発散しましょう。ストレスは高血圧の発症リスクを2倍以上高めることがわかっています。実際に高血圧の患者では、そうでない方よりも強いストレスにさらされているというデータがあるのです。運動を行なったり趣味の時間を取ったりして、溜め込まないように気をつけましょう。
4-5.たばこ・お酒を控える
たばこに含まれているニコチンは、血管を収縮するため血圧を上昇させます。動脈硬化の原因にもなるため、喫煙している方は禁煙しましょう。お酒も血圧を上げる原因です。飲酒制限を1~2週間行うだけで血圧降下が見られます。
血圧を管理するためには、男性で一日にビール中瓶1本以下、女性でビール中瓶1/2本以下にすることが推奨されているので、こちらを参考にしてみてください。
5.高血圧が気になるなら「高血圧イーメディカル」を活用しよう
高血圧イーメディカルは、通院不要で自宅にいながら高血圧の治療を行える画期的なサービスです。ただ高血圧の診断をして薬を処方するだけでなく、血圧をコントロールしていくためのサポートもしています。
5-1.オンラインで完結するから通院不要
診察から薬の処方まで、高血圧イーメディカルならすべてオンラインで完結します。通院時間も待ち時間も必要ありません。保険適用なので、診療/薬代は通常の通院費用と大きく変わらないため安心です。
5-2.無料貸出の血圧計でしっかり血圧をモニタリング
高血圧イーメディカルでは、オムロンヘルスケア社の血圧計を無料で貸し出しています。自動的に記録された血圧を医師がしっかりモニタリングしてくれるため、安心して高血圧の治療を進められるでしょう。
ところで、早いうちから血圧の測定を始めていればよかった、と言われる方が実はとても多いのをご存知でしょうか。血圧は高くなるとなかなか元に戻りません。つい治療を先延ばしにしがちな高血圧ですが、治療しない=血管がボロボロになっていくのを放置しているのと同じです。高血圧イーメディカルを活用すれば、放置しがちな高血圧も医師と一緒に治療していけます。
5-3.気になることはいつでもチャットで相談可能
高血圧や薬のことなど、気になることがあればいつでもチャットからご相談いただけます。相談回数に制限はないので、いつでも気兼ねなくご相談ください。オンライン診療という壁を感じることなく、医師に相談しながら血圧の治療を行えます。
6.まとめ
50代の血圧に、年齢ごとの「正常値」というものは存在しません。何歳であっても、診察室での血圧が140/90 mmHg以上、家庭での血圧が135/85 mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。自覚症状がないことが多いですが、放っておくと確実に血管や心臓に負担をかけるため、血圧を指摘されたら早めに減塩や運動などの対策を始めましょう。